【実践! サウンドチューニング】初級編 Part.1「バランスとフェーダー」その2
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インタビュー
ところが…。ステレオを正しく再現しようと思ったとき、車内には音響的に不利な条件も多々ある…。左右のスピーカーから等距離の場所で音楽を聴けないことや、ガラスやパネルでの音の反射とシートや布製品での音の吸収によって周波数特性が乱れる等々、サウンドの質を乱す要因がさまざま存在している…。
それらに対処しようとするのが、「サウンドチューニング」、というわけだ。それについてのノウハウの数々を解説すべく、当連載をスタートさせた。
まずは、初歩の初歩から話を始めている。もっとも基本的な「サウンドチューニング」機能である「バランス」と「フェーダー」について、その使いこなし術をレクチャーしている。
今回は、「フェーダー」について話を進めていこうと思う。まず「フェーダー」とは、前回の記事でも説明したとおり、“前後の音量バランスを整えるための機能”である。そして多くの人がこれを、“センター”に合わせていると思うのだが…。
実はこれは、ステレオの理屈から言うと、あまりおすすめできる運用方法ではない。
ステレオは、音楽を左右のchに分けて録音し、それを左右のスピーカーで再生して、音楽をリアルに感じ取ろうとするものだ。あくまでも、スピーカーは2本あれば十分なのである。実際、ホームオーディオでわざわざスピーカーをリスニングポジションの後ろに設置する人はほとんどいない。音声がそもそも5.1ch分に分けて収録されている映像作品を観るのでないのなら、スピーカーは2本あればオッケーなのだ。後ろから音が聴こえてくることで、目の前に広がるべきサウンドステージが不自然に後ろに感じられ、音像もぼやけていく…。
ということで、「フェーダー」は、“10:0”でフロント側に振る、のが正解なのである。後部座席に人が乗っている場合は、音を聴こえやすくするために“5:5”にするのはアリなのだが、車内にはスピーカーは左右2本だけあればいいので、それでも、“10:0”で間違いではないのだ。
「フェーダー」は“10:0”が基本。そう理解していただきたい。
と、いいつつ…。実は、「ちょっと後を鳴らす」というチューニングテクニックも存在している。それについては次回にじっくりと解説していこうと思う。次回の当コーナーも、要チェック。
《太田祥三》
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