【カーオーディオ・インストール雑学】パート6「トゥイーターの取り付け方」#01 「トゥイーター」が“セパレート”となる利点
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本来ならば、1つのスピーカーユニットで、低音から高音までをスムーズに再生できれば良いのだが、なかなかそうもいかない。高音は口径の小さなスピーカーのほうが出しやすく、中低音は口径の大きなスピーカーのほうが出しやすいからだ。というわけで、高音を担当するトゥイーターと、中低音を担当するミッドウーファーとを設けて、役割分担をさせて音楽を再生しようとする2ウェイスピーカーが使われることが、現代のカーオーディオにおいての主流となっている。
なお、2ウェイスピーカーには2タイプがある。トゥイーターがミッドウーファーの同軸上に取り付けられた“コアキシャル”タイプと、トゥイーターが別体となっている“セパレート”タイプとが存在しているのだ。
ところでひと昔前ならば、廉価な市販スピーカーでは、“コアキシャル”タイプが人気だった。“コアキシャル”タイプしかラインナップしていないシリーズも多く、迷わずこちらが選ばれることが多かった。しかし今では、エントリーモデルにおいても、“セパレート”タイプの製品が充実していて、こちらが選択されることが多くなっている。
ただし、“コアキシャル”タイプにもメリットはある。1つは、比較的に簡単に取り付けられること。もう1つは、高音と中低音の出所が同一となるので、サウンドがまとまりやすいこと。しかしデメリットもある。それは、音が足元に溜まりやすい、というものだ。
それに対して“セパレート”タイプでは、トゥイーターを高い位置に取り付けることが可能となり、こうすることで、サウンドステージを高い位置に持ってくることが可能となる。
そのメカニズムを簡単にご説明しておこう。高音は指向性が強い。ゆえに、どこから音が出ているのかを感じやすい。対して低音は指向性が弱い。なので、どこから音が出ているのかを感じにくい。であるので、トゥイーターが高い位置にあると、もろもろを上手にコントロールできた場合、高音につられて中低音もトゥイーターの位置から聴こえてくるように錯覚する、というわけなのだ。
このメリットが好まれて、“セパレート”タイプが人気となっているのである。
とはいえ、トゥイーターを「どこに」「どんな角度で」付けるのかについては、多くのノウハウが存在している…。
それらはどんなノウハウなのかを、次週より1つ1つ検証していこうと思う。これから市販セパレートスピーカーに交換しようと思っているアナタは、次回からの当コーナーに、ぜひともご注目を。
《太田祥三》
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