【実践! サウンドチューニング】初級編 Part.2「イコライザー」その4
レストア
サービス
先週は、周波数特性の乱れを“補正”しようとするときの操作の流れを解説した。今週はそれに引き続いて、10から13バンドの「イコライザー」を操作しようとするときに知っておくと役に立つ、具体的なコツをご紹介していく。
まずは、注意事項から。それは「100Hzあたりよりも下側は、なるべく上げない」というもの。なぜならば、ドアのスピーカーはそもそも、100Hz以下といった低域の再生が得意ではないからだ。口径が小さく、重低音をクリアに再生する能力が備わっていないのだ。特に、純正スピーカーではその傾向が顕著だ。であるので、クリアでない音を増幅したとしても、良い結果が得られないのである。
例えば、走行するとロードノイズが発生し、それにより低音が“マスキング”されて聴きづらくなる。そんなときでも、100Hzあたりよりも低いバンドは触らずに、それよりも上側だけを少々上げる、というように対処するのがベターなのだ。
しかしながら、もっと低音を聴きたいと思うときもある…。そんなときは、“高域を下げる”というのも手だ。高域を抑えめにすることで、低音が良く聴こえるようになるのだ。ご参考にしていただきたい。
次には、ドア内部の鉄板がビビリ音を発したときの対処法をご紹介しよう。そんなときは、低音側のバンドを下げてみよう。場合によっては、100Hz以下は大胆にカットしてもいいだろう。
低音は、鉄板をビビらせる原因となりやすい。「ビビり音が聴こえてきたら、低音を下げる」。これも基本的なテクニックなので、ぜひとも覚えておいていただきたい。
次に、ボーカルを気持ち良く聴くためのテクニックをご紹介していこう。コツは2つある。1つは、サ行の音が耳に付くとき。この場合は、2kHzとか、4kHz、8kHz付近をちょっと下げてみよう。気にならなくなったら正解だ。
あと、250Hzあたりから400Hzあたりをちょっと下げてみると、ボーカルの輪郭がシャープになったように聴こえるはずだ。ボーカルを際立たせたいと思ったときは、試してみよう。
ただしこれらの操作では、“やり過ぎ”は禁物だ。やり過ぎると、もともとの音色やバランスが崩れてくる。サウンドに違和感が出てきたら、それ以上の操作を控えたい。
今回ご紹介するコツは、以上だ。次週も、「イコライザー」の使い方についての解説を続けていく。お楽しみに。
《太田祥三》
この記事の写真
/