【実践! サウンドチューニング】上級編 Part.2「ハイエンドシステムにおける、クロスオーバー調整の勘どころ。その3」
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今回はその3回目として、「ユニットの能力の見極め」について解説していこうと思う。
前々回にご説明したように「クロスオーバー調整」は、付属のパッシブクロスオーバーネットワークで設定されている状況と同じ値に仮設定し、その値をベースに微調整を加えていくとやりやすいのだが、それを行う上で実は、事前に確認しておきたいことがある。それがこの「ユニットの能力の見極め」だ。これを行うことで、「クロスオーバー」の設定範囲の上限と下限を把握しておこうというわけだ。
まずは、ミッドウーファーの「能力の見極め方」から解説していこう。なお、取説等を確認すると、ミッドウーファー単体の「再生周波数帯域」または「使用可能周波数帯域」が掲載されている場合がある。もしもその記載があったなら、それでミッドウーファーの「能力の限界」が確認できるかというと…。
実のところはそうとは限らない。実際にクルマに取り付けたとき、その上限までスムーズに“良い音”を再生できるかというと、それはまた別の話なのである。
であるので、そこのところを聴感上で確認していく。以下の手順で進めていこう。はじめに、左右どちらかのミッドウーファーだけから音が出るようにする(他のユニットにはミュートをかける)。次に、ミッドウーファーの「カットオフ周波数」を、仮で設定しておいたあたりよりも低めのところに設定しなおし、「スロープ」をもっとも急峻な値(マイナスに続く数字が大きいもの。-6dB/octと-12dB/octでいうと、-12dB/octのほうが急峻なスロープ)をチョイスする。
そしてそこから、「カットオフ周波数」を徐々に上げていき、音が濁り始めるポイントを探していく。
ミッドウーファーは、「カットオフ周波数」を上げ過ぎても壊れることはないので、かなり上まで上げても大丈夫だ。もしも音が濁り始めるポイントをつかみにくかったら、ある程度大胆に上げてみてもいいだろう。そうして、高いところまで引っ張ると音が濁ってくることを、感じ取る練習をしてみよう。
これを何度か繰り返して、そのミッドウーファーの上側の能力の限界を見極める。それがわかったら、その値が「クロスオーバー調整」の上限、ということになる。
今週はここまでとさせていただく。次週は、トゥイーターの能力の限界の見極め方について解説していく。
《太田祥三》
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