【実践! サウンドチューニング】上級編 Part.2「ハイエンドシステムにおける、クロスオーバー調整の勘どころ。その6」
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さて、まずは“パッシブクロスオーバーネットワーク”の値を入力し、その後に“クロスポイント”の設定可能な範囲を見定め、さらには“位相”の確認を終えたら、いよいよそこから微調整を加えていく作業に入るわけなのだが…。実際はここで一旦、「クロスオーバー」調整から離れることとなる。
「クロスオーバー」を厳密に追い込む前に、「タイムアライメント」と「イコライザー」調整に進みたいのだ。それらがある程度整っていないと、「クロスオーバー」調整で目指したい部分の善し悪しが判断しにくいからである。
その“目指したい部分”というのは主に、「全体のバランス」と、トゥイーターとミッドウーファーとの「繋がり」だ。まずは“クロスポイント”あたりの音が薄くなり過ぎたり厚くなり過ぎたりしないように注意して、その上で、あたかも1つのスピーカーユニットから音が出ているかのような、一体感のあるサウンドを目指したいのである。
というわけで、「タイムアライメント」と「イコライザー」の調整がすんだところでもう1度「クロスオーバー」に戻り、“カットオフ周波数”と“スロープ”を微調整させながら、全体のバランスと繋がりを整えていこう。
ちなみに、ミニバンのような天井の高いクルマでは、トゥイーターとミッドウーファーの距離が遠くなるので、スタンダードな「クロスオーバー」設定をすると、クロスポイント周辺の音が薄くなる傾向がある。もしもそのような聴こえ方であったなら、ミッドウーファーの“カットオフ周波数”を、トゥイーターの“カットオフ周波数”よりも上目に持ってくるのも1つの対処法となる。または“スロープ”を緩やかにしてみるのもアリだ。
このように、“カットオフ周波数”と“スロープ”を変えながら、全体のバランスが自然で、サウンドの一体感が増すポイントを探っていこう。そして“スロープ”を変えるたびに、“位相”をチェックすることをくれぐれもお忘れなきように。“位相”を合わせることがとにもかくにも重要なのだ。
いかがだっただろうか。「クロスオーバー」についての解説は、以上を持って終了とさせていただく。次回からは新章に突入する。お楽しみに。
《太田祥三》
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