【実践! サウンドチューニング】上級編 Part.4「ハイエンドシステムにおけるイコライザー調整の勘どころ」その1
レストア
サービス
今週からは新たな章に突入し、「イコライザー」をテーマにお贈りしていく。その第1回目となる当週は、“ハイエンドシステム”においての「イコライザー」の存在意義について考察していく。
最初に、言葉の意味から考えてみよう。“イコライズ(equalize)”という言葉には、「等しくする、平等にする、一様にする」という意味がある。
「イコライザー」とは、まさしくその意味どおりの働きをする機能だ。「原音と再生音を同一にする」ことであったり、「周波数特性をフラットにする」ことが、この機能に求められる役割なのだ。
とはいいつつも、場合によってはサウンドの“味付け”のために使われることもある。これも「イコライザー」の役目の1つではあるのだが、しかしハイエンドシステムにおいてはやはり、メインの役目は“イコライズ”という言葉の意味どおりのものである。
だからこそ、詳細にコントロールすることが可能になっている。どのように詳細かというと、ポイントは2つ。1つはバンド数が多いこと。もう1つは“左右独立”または、“ch独立”になっていること。この2点が、ならではのポイントだ。
ところで、“左右独立”でなければいけない理由はなんなのかというと…。
車室内は狭い。よって、ガラスやパネルに音が反射し、また、シート等で音が吸収されるなどして、周波数特性の乱れが引き起こされる。それを「イコライザー」で整えていきたいわけだが、車内のパネルの形状は、左右で異なる。運転席側にはメーターフードがあり、ハンドルがある。このような違いにより、周波数特性の乱れ方も左右で変わってしまうのだ。したがって、それぞれの乱れに対して個別に対応する必要がある、というわけなのだ。
そしてさらに厳密にコントロールしようとするなら、スピーカーユニットごとに対応したい。であるので、“ch独立”となっている「イコライザー」が多くなってきたのである。
今週はここまでとさせていただく。次週もさらに「イコライザー」の存在意義について深掘りしていく。お楽しみに。
《太田祥三》
この記事の写真
/