【カーオーディオ・インストール雑学】パート10「パワーアンプの取り付け方」#04「セッティングについて」
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早速、本題へ入ろう。パワーアンプを取り付けたら、それを使ってより良い音で音楽を楽しむために、“セッティング”を行わなければならない。行うべき項目はずばり、“ゲイン調整”だ。“ゲイン調整”とは何なのかと言うと、「パワーアンプの音楽信号の受け入れ口の、“蛇口”の開け方を決める作業」である。
“蛇口”をどれだけ開けるかは、出音の質に大きく影響する。開け方が小さいと、パワーアンプの能力が十分に発揮されなかったり、またノイズの混入が大きくなるといった心配も出てくる。
逆に、“蛇口”の開け方が大き過ぎると、“クリップ”という現象が引き起こされ、音が歪んでしまったりする。“クリップ”とは、切り取る、という意味の言葉であるが、つまり、パワーアンプの能力以上の音楽信号が入ってくるために、波形のピーク部分が切り取られる、というような状態が引き起こされるのである。結果、音が歪んでしまうのだ。
というわけで、パワーアンプの実力を十分に引き出すためには、“クリップ”しない範囲の中でできるだけ多くの音楽信号を取り入れられる、絶妙な塩梅で“蛇口”を開けることが目指される。
パワーアンプの“セッティング”において行うべきは、この“ゲイン調整”がすべて、といっていい。場合によっては“クロスオーバー”を設定することもあるが、最近のカーオーディオにおいては、“クロスオーバー”はプロセッサー側で行うことが多くなっている。であるので、アンプ側ですべきことは基本的に、“ゲイン調整”ただ1つ、というわけなのだ。
ただし、調整機能が簡易なタイプのメインユニットを使っているときには、パワーアンプに搭載されている“クロスオーバー機能”はなかなかに役に立つ。これを使うとワンランク上のシステムを組むことも可能となる。
それについては次回に解説していこう。次週の当コーナーも、お読み逃しなきように。
《太田祥三》
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