【編集部員が行く! 突撃ショップレポート】プロの仕事お見せします!!…洗車体験編 最終回
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その日を盛り上げるべく、突撃ショップレポート ~洗車体験編~の最終話を公開いたします!!
今回の内容は『プロ流仕上げ術』です。
ダメ出しの連続だったボディの洗車を何とか乗り越え、ついに仕上げまでこぎつけた著者(詳細はその2を参照)。
完成まであと一歩の所まで到達したが、やっぱりここでも持ち前の“ヘッポコぶり”を発揮する。普段使い慣れない機器に苦戦しながらも、プロが口にした「金言」を読者の皆様にお届けするため、奮闘してきました。
これまでとは、ひと味違う仕上げ方法を学べると思うので、ぜひとも最後までお付き合いください!
◆スチーム「面ではなく角を」
スタッフの方にコツを教えてもらいながら、何とかボディ洗浄を終えた著者。徐々に輝きを取り戻す我が担当車に対する愛着は、ここまでくるとMAXにまで達している。
「よっしゃ! トコトンまでキレイにしてあげるからねー!」
腕はないけど、そんなもんは気持ちでカバー!! 最後まで洗い遂げるという思いを、ここで再確認した。
そのタイミングで登場したのが「スチーム(高圧洗浄機)」だ。水圧を利用して、手洗いでは落としきれない場所の汚れを落とすマシーンだが、「これってコイン洗車場とかで見かけるやつですよね?」なんていう質問をスタッフの方にしてしまう位、著者には馴染みのない機器だ。
手にする前の感想は「正直ビビってます」。“猫に小判”、“豚に真珠”に続く“マミーにスチーム”ということわざを生み出さないよう、耳をかっぽじくって説明を聞いた。
ではスチームを使用する際のポイントはこれだ!!
『意識するのは面ではなく角! 細かい部分を中心に洗浄すべし!!』
そのココロはこうだ。
「スチームを使っている人の姿を見ていると、“面”の部分を一生懸命やっている人が多いです。でも、この道具が性能を発揮するのは“細かい部分”。溝とか角とか、手洗いでは落としきれない汚れを弾き飛ばすための道具なので、そのイメージを持って使用してください」
その言葉を実践しようとスチームを噴射したが、おぼつかない手つきゆえコントロールが定まらない…。細かい部分はおろか、もはや面の部分に上手く当てることすら苦労する始末だ。
終始腰が引けている“ノーコン”の著者の傍らでは、まるで自分の体の一部のようにスチームを扱っているスタッフの姿。確実に獲物を捉えるハンターのように、効率的に“急所”を仕留めている。
下手クソすぎる著者と比較するのは、あまりに申し訳ない話ではあるが「こりゃーキレイになるはずだ!!」。こんなことを素直に思ったのだった(ちなみに…著者がスチームした部分は、あとでスタッフの方が責任を持ってやり直してました)。
◆拭き取り→エアー「水滴とイタチごっこをしないように」
細部に至るまで汚れを落とした後は、いよいよ拭き取り作業に突入だ。
拭き取る時も、とても柔らかなクロスを使用。洗車時はとにかく柔らかいものを使用するという精神はここにも通じる。
全体的に拭き取った後は、リンスでさらなる仕上げを行った。ちなみに使用するリンスの量はそんなに多くなくても大丈夫! クロスに少量出し、すり込む様なイメージで水を拭き取る。コーティング済みのクルマや、家庭での洗車時にはリンスなしで拭き取るのも問題はないそうだが、ワンランク上の仕上げを望む方にはオススメだ。
拭き取りが終わったら、仕上げの仕上げともいうべき作業を実践。エアーを吹きかけ、クロスでは拭き取り切れなかった水滴を、弾き飛ばす。これも要領はスチームと同じ。凹凸部分や角など細かい部分に重点的に吹きかけるのがミソだ。
手では拭き取れない部分を意識してエアーを吹きかけると、角で息を潜めていた水滴が出てくるわ、出てくるわ。思わず「ここにもいたか! ウリャ! ウリャ!!」などと一人で盛り上がりながらの作業が続いた。この間、スタッフの方が決して話しかけてくることが無かったのは言うまでもありませんが…。
では、ここでもう1つポイントを!
『エアーは一定方向に吹きかけるべし! じゃないと水滴が同じ所をクルクルしちゃうから』
四方八方から不規則に吹きかけてしまうと、当然ながら水があっち行ったり、こっち行ったりで効率よく水滴が弾け飛ばない。余計な労力を費やすわりに、水滴が無くならないという悪循環が生まれるので注意が必要だ。きっちりと正しい方法を教わったにも関わらず全くうまく実践できず、水滴と終わりの見えない「イタチごっこ」をしていた著者が言うのだから間違いない。
悪戦苦闘しながらも目に見える水滴が無くなった所で、プロ流洗車の完成だ!
◆知識と技術を味わえるショップでの洗車
最後に“洗車事故”を起こさないため、重要なポイントをまとめてみた。
・ホースやスポンジもキズの原因! キズを付けないように細心の注意を
・洗剤焼けに注意! とにかくこまめに洗い流そう
本文中にも触れたが、特に洗剤の扱いには注意が必要だ。
車種などによって使い分けが必要なものもあるという。例えば、日本車と外車。日本車の塗装には「弱めの酸性」を使用するのがいいと教えてくれた。アルカリ性や強酸性のものを使用すると塗膜にダメージを与える原因になるそうだ。そのため特別な溶剤を使う際などには気をつけて欲しい。
ちなみにナインティーンフィフティさんの洗車スペースには、様々な種類の洗剤が並び、それを車種や今後の施工工程などによって使い分けていた。「間違えると洗車事故に繋がるので、洗剤選びにはとても気を使っています」という言葉は、家での洗車とは一線を画す部分といえる。正しい知識に則った、高い技術を味わえるのがショップに預ける大きなメリット。それを実感する言葉だった。
◆左半分の洗車で1時間オーバー
ちなみに著者が担当したのはクルマの左半分のみ。右半分はスタッフの方が洗ってくれたため、ノータッチだった。にも関わらず、仕上げを終えた時には息切れ寸前だったワタシ。そこそこ高い山を登りきった後と同程度の疲労感をズッシリと感じていた。
車体の左半分を洗いあげるのに要した時間はなんと1時間オーバー…。ちなみにスタッフの方は20分もあれば、全面を終えてしまうそうだ。
冒頭で山川社長に対して言った「全てのクルマを洗いますよ!!」なんて軽口を実現しようとしたら…。今考えると恐ろしいことを口にしたもんだと、我ながら呆れるばかりだ。
その後も作業の様子を見学させてもらうと、ものすごいスピードでクルマがキレイになっていく。もちろん、この日教えてもらったポイントが確実に押さえられているのは言うまでもない。
ちなみにスタッフの方に「僕が入社したての新人スタッフだったとして、今日の作業をしていたら… どうなっちゃいますかねー?」と聞いてみた。すると笑いながら「間違いなく、怒鳴ってますねー!!」と即答されてしまいました…。やはり、プロへの道のりは険しいようだ。
◆キレイになってくるクルマの裏側にある数々のこだわり
今回の洗車体験編では、3回にわたり実際にショップで教えて貰った洗車術をお伝えした。ここで紹介させてもらったプロならではの技術を、家庭で行う洗車に取り入れてもらえたら、とてもありがたい限りだ。
しかしそれと同時に、皆さんにも実際にプロショップにクルマを預けてもらい、ひと味もふた味も違う仕上がりを体感して欲しいということを強く感じた。「こんな細かい所まで気にして作業するんだなー」。実際にショップを訪れて湧き上がったのは、そんな気持ちだった。
ショップに預けたら“当たり前のように”キレイになって戻ってくる愛車の裏側には、そこで働く人たちの数え切れないほどのこだわりが散りばめられている。私たちの充実したカーライフは、このような人々の手によって守られているのだ。
今後も様々なショップを訪問し、プロならではの技術をお伝えしますので、ぜひともお楽しみに!
◆今回お邪魔した店舗◆
『ナインティーンフィフティ』
カーフィルム、ボディコーティングなどクルマのメンテナンスに関わる施工を幅広く取り扱ってもらえるプロショップ。ベンツ、フェラーリなどの高級車から、普段使用しているご家庭用のクルマまで何でも対応。エルビス・プレスリーなどオールディーズを愛する男気に溢れた社長が、様々な相談を聞いてくれます!
〒333-0844
埼玉県川口市上青木1丁目2番33号
TEL 0120-62-1950 / 048-255-1950
mail 1950@1950.jp
最後にもう1度、今回紹介した各部分のポイントをまとめておくので、ぜひ活用してもらえたら幸いだ。
【大原則】
『洗車をする時は“上から下。中から外”を意識する』
【ホイール】
『ホイールは内側も洗うべし!!』
【エンジンルーム】
『T字や凹凸部は油がたまりやすいので、そこを入念に洗うべし!!』
【ボディ】
『ボディを洗う前にはたっぷりと水をかけ、しっかりと冷やすべし!!』
『スポンジは円ではなく直線に動かすべし!!』
【スチーム】
『意識するのは面ではなく角! 細かい部分を中心に洗浄すべし!!』
【エアー】
『エアーは一定方向に吹きかけるべし! じゃないと同じ所をクルクルしちゃうから』
《カーケアプラス編集部 マミー》
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