封印外してしまって大丈夫? 陸運支局によって違う登録手続きの流れ
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自動車を買うとなると、以前であれば自動車販売店で探して契約、整備や登録などをしてもらって購入する、というのが一般的だった。しかし最近では個人間売買や、オークションサイト経由で購入、自動車販売を仕事にしている専門業者ではない人が登録を自分で行うというケースも少なくないようだ。
ところでこの登録の手続き、必要書類の種類は同じなのだが、地域によって手続きの流れが若干異なるのである。
関東では、各陸運支局に名義変更しようとするクルマを持ち込み、受付に申請書と必要書類を提出するところから始める。担当者の確認で問題がなければ、まず新オーナーの車検証が作られるのだ。この段階でクルマのナンバープレートは外してならない。万が一、書類に不備があった場合でも、ナンバープレートの封印は外れた状態にならず、いつでもクルマには乗れる。
新しい車検証が発行されてから、古いナンバーを外して返却、それと交換するように新しいナンバーを受け取る、というのが関東運局管内の陸運支局での手続きの流れだ。ただし、車と窓口との間を行ったり来たりすることになる。
これに対し、例えば熊本で名義変更をしようすると、最初の受付で名義変更を申請する際に、書類と一緒に「古いナンバーも一緒に出してください」と言われるのだ。これなら、クルマで陸運支局に行って、名義変更するためにいちどクルマを離れたら、新しいナンバーを受け取るまで戻らなくてよい。
しかし、万が一クルマからナンバーブレートを外してしまった後で、書類に不備があるような場合はどうするのだろうか? プレートのない車には乗れないから、プレートの再度取り付け=再封印が必要になる。
九州の自動車販売店の人に聞くと「再封印が必要な場合は、陸運支局で対応してもらえるからあまり問題にはならない」のだそうだ。実際、この登録手続きとは別の機会で、筆者自身が福岡県の久留米市で再封印する機会に立ち会ったが、所定の場所に移動すると、担当者が車体番号と車検証の記載事項をチェックしたうえで、再封印自体はすぐに完了した。
ただし、封印は付いていなければならないものであり、なかったり破損していたりすると取り締まりの対象にもなる。手続きに万全を期さなければならない。
関東運輸局管内の煩雑ながら、確実に名義変更できることが明らかな状態になるまでナンバープレートを外してはならないやり方に慣れてしまうと、やや戸惑う九州運輸局管内の手続きの流れだが、実際の手続きの流れは九州運輸局の流れの方がスマートに感じる。九州以外でも先にナンバープレートを外す地域もあるようなので、むしろ関東運輸局の特別な事情(登録台数が多い)があるのかもしれない。
個人間売買に限らず、引っ越しなどの理由でクルマを移転登録する場合があるかもしれない。そのような場合に、個人で登録したことがあるからと手続きに向かうと、煩わしく思うこともあるかもしれない。特にナンバープレートの取り扱いでは、各陸運支局のやり方をよくチェックしてから、封印を外すようにしてほしい。そして全国で手続きの流れの共通化も検討してほしいものだ。
《中込健太郎》
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