Clarionの『最新鋭ナビ』 その魅力を徹底解説!
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埼玉県さいたま市のClarion本社を訪ね、『NXV977D』と『Full Digital Sound』が搭載されたニューデモカー「トヨタ・プリウス」を取材し、『NXV977D』の使い心地や、『Full Digital Sound』と連動することによって得られる相乗効果も体験してきた。そのリポートも併せてお伝えしていく。
■9型大画面を自在に4分割表示し、多くの情報を瞬時に認識可能に。
2017年のAV一体型ナビ戦線に、大物ルーキーが登場した。それがこの、『Clarion・NXV977D』である。
まずは、当機が“大物”たる理由を、端的にご紹介していこう。注目すべき主な特長は3点ある。1つ目が「9型大画面を4分割して表示できる“Quad View(クアッド・ビュー)”が搭載されていること」、2つ目が「高精細9型HDディスプレイが搭載されていること」、そして3つ目が「ハイレゾ音源対応を含むオーディオ性能の進化」、だ。
もっともキャッチーな特長が、1つ目の“Quad View”であるのだが、これは、9型大画面上でナビゲーション、オーディオ、ツール、アプリの4つのエリアを一画面に表示し、画面切り替えなしで多くの情報を瞬時に認識できる、というものだ。均等4分割表示、メインエリアを約6.7型の大きさに表示しての4分割表示、そして各エリアそれぞれのフル画面表示とを、任意に切り換えることが可能だ。
そして2つ目の特長である“高精細9型HDディスプレイ”について。『NXV977D』には、1280×720ドットの高精細HDディスプレイが採用されていて、9型大画面の価値がさらに伸長している。すみずみまでが鮮明で、見やすい。同時に、24bit/1677万色のフルカラー表示が実現されているので、地デジや動画、地図や文字が、くっきりと明解に映し出される。
さらに、3つ目の特長である“オーディオ性能”についてだが、これには着目すべきポイントが2点ある。1つは「ハイレゾ音源対応」。192kHz/24bitまでのWAV/FLACファイルの再生が可能となった(『Full Digital Sound』の『Z3』接続時においては、デジタルアウトは96kHzまでの対応<192kHzのファイルはダウンコンバートされる>となる)。そして、もう1つが『Full Digital Sound』との接続対応。同システムと連携させたとき『Full Digital Sound』のコマンダーが不要になり、『NXV977D』の操作画面でコントロールすることが可能となる。『Full Digital Sound』の良さが、さらに活きてくるのだ。
■車内でのハイレゾ音源の楽しみ方が、『NXV977D』によって変わる!?
「オーディオ性能の進化」について、もう1歩踏み込んで解説しよう。これによって、どのような人にどんなメリットがもたらされるのかを、具体的にご説明していこうと思う。
3つのケースが考えられる。1つ目は、「ハイレゾ音源をすでに楽しんでいる人、またはこれから楽しみたいと思っている人に、クルマの中でも気軽に楽しめる環境がもたらされる」というもの。
これまでのClarionのナビゲーションでハイレゾ音源を楽しもうとするときには、スマホやポータブルDAPを車内に持ち込むスタイルが取られていたが、『NXV977D』では、ポータブルDAPが不要になる。SDカードやUSBメモリーでハイレゾ音源を車内に持ち込めるからだ。結果、操作性が格段に上がる。ナビの9型大画面に曲目リストを表示できたり、対応している車両ではステアリングリモコンで曲送りができたりもする。DAPを操作するのと比べて、圧倒的に使いやすい。
2つ目のケースは、「ハイレゾプレーヤーを核としてハイエンドシステムを構築したいと思う人に、圧倒的に快適な操作性がもたらされる」というもの。
ハイエンドシステムを構築しようと思えば、“DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)”が不可欠だ。これを活用することで、車室内の音響的な不利を克服可能となるからだ。
そして、ハイエンドシステムでハイレゾ音源を楽しもうと思うと、“DSP”にハイレゾ音源をデジタルのままで送り込む必要がある。しかしながらこれまでは、デジタルアウトを持ったハイレゾ対応AV一体型ナビが存在していなかった。であるので、多くのハイエンドシステム搭載車でポータブルDAPが使われていたのだが、『NXV977D』にはデジタルアウトが備わっている。つまり、『NXV977D』を核とする、ハイエンド・ハイレゾシステムが構築できるので、このケースにおいてもDAPが必ずしも必要ではなくなる。結果、ハイエンドシステムユーサーにも、圧倒的に快適な操作性がもたらされることとなる。
■『Full Digital Sound』の操作性が『NXV977D』によって一段と向上する。
そして3つ目のケースとは、「Clarionの『Full Digital Sound』ユーザーに、格段の操作性の向上と、完全なるデジタルシステムの完成がもたらされる」というものだ。
『Full Digital Sound』と『NXV977D』を融合させると、『Full Digital Sound』の使いやすさが一段と向上する。『Full Digital Sound』のコマンダーで行えていたことがすべて、ナビ画面で行えて、対応している車両ではステアリングリモコンが使えるようにもなる。
さらにいうと、コマンダーを見えるところに固定しなくてもOKとなる。操作性とルックスの両面を重んじて手の込んだ取り付けがされることも多いが、『NXV977D』と併せてシステムを組む場合には、コマンダーの取り付けに手を掛ける必要はなくなる。
そして、音楽信号が1度もアナログ信号に変換されることなく音に変わるという、真のフルデジタルシステムが完成できる。ハイレゾ音源、CD、DVD、地デジ、Bluetooth、さらに言えばナビ音声までもがフルデジタルで再生される(ラジオの音声のみ、受信時はアナログ信号)。もっともナビ音声がスペシャルに高音質である必要はないが、「すべてがデジタル」というこのわくわく感は、『NXV977D』+『Full Digital Sound』でしか味わえない。
■『Full Digital Sound』の魅力が、確実に高められていることを、デモカーで実感。
さて、デモカー「トヨタ・プリウス」でのインプレッション・リポートをお伝えしたい。
テストを開始してまず感じたのは、4分割画面表示機能“Quad View”のレスポンスの良さだ。今年の東京オートサロン等でもプロトタイプが展示されていたが、その当時よりもスムーズさが増しているあたりはさすがだ。ナビ画面を大きく表示しているときでもオーディオ操作画面が見えていることも好印象。ルート案内中でもダイレクトにオーディオ操作に移行できる。
また、ポータブルDAP無しでも車載機でハイレゾ音源を堪能できるのは、相当な進化だと実感した。車載での使用を前提としていない機器で操作するのと、ナビ画面で操作が完了できることの違いは、相当に大きい。もちろん、ハイエンドDAPの中にはかなりの高級機もあるので、敢えてそれを使うというスタイルは残っていくだろうが、この操作性の良さは、多くの愛好家に支持されるに違いない。
そして、その音は…。CDクオリティの音源(44.1kHz/16bit)とハイレゾ音源(96kHz/24bit)とを同一曲で比較試聴してみた。
まずはCDクオリティのサウンドだが、『Full Digital Sound』の再現能力の高さにより、十二分に高音質で楽しめた。全体がクリアでかつ、いきいきと音楽が再現されている。
続いてハイレゾ音源に切り換えてみると…。ハイレゾ音源の良さを存分に感じ取ることができた。臨場感、リアリティ、そして説得力が上がり、鳥肌が立つようなぞくぞく感もしっかりと味わえた。『NXV977D』も、ナビでありながらハイレゾプレーヤーとして高音質に仕上げられているとのことなのだが、その説明に偽りはない。満足度は高い。
そして改めて、以下のようにも思った。ハイレゾプレーヤーだけが上質であっても、結局のところは、サウンドチューニング能力も含めてシステム全体が充実していなければつまらない、と。その点については、Clarionならば大丈夫だ。ハイレゾ音源を高音質で楽しむことが担保されている。本格システムを、省スペースで、省電力で、そして低コストで完成できる。
『NXV977D』の登場によって、『Full Digital Sound』の第2章が始まったとも言えそうだ。当機によって、『Full Digital Sound』の価値が、さらに高められている。
クルマの中で良い音を楽しみたいと思っている方は、Clarionの『NXV977D』と『Full Digital Sound』がある、ということを、ぜひとも覚えておいていただきたい。要チェック。
なおこの「トヨタ・プリウス」は、7月22日(土)・23日(日)に“ツインメッセ静岡”で行われる、『第3回 ハイエンドカーオーディオコンテスト』のClarionブースで試聴体験可能だ。ハイエンドユーザーにとっても大注目の『NXV977D』の音と使い心地を、ぜひともご体感あれ。
Clarionの『最新鋭ナビ』+『Full Digital Sound』が織りなす、魅惑のオーディオ・リスニングを体感!
《太田祥三》
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