【イベントレポート】小学生がクルマに関わる技術とデザインに触れて、体験…キッズエンジニア2017
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イベントレポート
「キッズエンジニア」は自動車技術会が小学生を対象として、夏休み期間中に2008年から毎年開催。偶数年は横浜、奇数年は名古屋(2011年のみ大阪)を会場にしてきた。10回目となる今回はポートメッセなごやの第2展示館とイベント館が会場となったほか、屋外展示もおこなわれた。
このイベントでは毎回、自動車メーカーやサプライヤー、関連団体などがそれぞれに「ものづくり」を体験できる「教室型プログラム」や、気軽に触れられる「体験展示型プログラム」を展開。今年は過去最高数となる合計37のプログラムが用意された。
プログラム内容はスクーター用エンジンの分解・組立をする(スズキ)、電動カートにサスペンションとタイヤを組み付ける(ホンダ)といった実際のビークルに触れるものから、モーターを組み立てて模型自動車を走らせる(日産)、風車を動力源にした模型自動車を風上に向かって走らせる(ヤマハ発動機)など、動く模型を作るものまで幅広い。
またエレクトロニクス化の進んだ現状を反映し、ノートPCにあらかじめインストールされたプログラムのなかから選んで模型自動車にインストールし、挙動を決定させるというプログラミングの基礎作業を体験できるものも。
他にも遊星ギヤを用いて風車を作る、人の乗ったソリを引っぱって摩擦について知る、モーターサイクルのエンジンを始動させる、CADデータに手を加えてオリジナルのデザインを作る等々、子供が実際に手を動かして「ものづくり」や機械の動作を体験できるものばかり。
なかには面識のない子供同士が即席ペアを組んで作業にあたり、最後にプレゼンテーションまでさせるという、まるで実際の開発業務をまるごとベースにしたようなプログラムも。しかしどのペアも破綻することなく作業を進めて完遂。子供たちの思考や行動、対応の柔軟さに感心させられた。
自動車技術会では実際の車両のペーパークラフトを組み立てるだけでなくアレンジを加え、そのアイデアや出来映えを競うコンテストを開催したほか、デザイン部門委員会が実際に業務で使っているマーカーやパステル、クレイ切削ツールを使ったスケッチとクレイモデルの制作体験を展開。
多くのプログラムは事前申込制だったが、キャンセル待ちを申し込むための行列をあちこちで目にし、好奇心の旺盛さを感じることができた。反面、無邪気な笑い声はあまり聞こえてこない。これは退屈しているからではなく、真剣な面持ち
で作業に熱中しているから。
ある出展者は「途中で自由に休憩していいよと子供たちに言っているのですが、誰も作業を中断しないんです。それだけ夢中になってくれているということですね」と、嬉しそうに語っていた。
【キッズエンジニア2017】小学生がクルマに関わる技術とデザインに触れて、体験
《古庄 速人》
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