【カーオーディオ・マニア】「ビーウィズ」システムでしか得られない魅力とは?…システム構築術研究 | CAR CARE PLUS

【カーオーディオ・マニア】「ビーウィズ」システムでしか得られない魅力とは?…システム構築術研究

特集記事 コラム
ビーウィズ・スピーカーの取り付け例・製作:プロショップ ヴォーグ。
ビーウィズ・スピーカーの取り付け例・製作:プロショップ ヴォーグ。 全 1 枚 拡大写真
ひと口に「カーオーディオ」とは言いつつも、攻略法はさまざまある。市販スピーカーに換装するというライトなアプローチもあれば、外部パワーアンプを大量導入するヘヴィな仕様まで、やり方が多彩に存在している。

当連載では、その1つ1つについて、特長から楽しむためのコツまでを解説してきた。第8回目となる今回は、国産ハイエンドカーオーディオブランドの1つ、「ビーウィズ」のユニットで構築するシステムについて考察していく。


■“リニアPCMプレーヤー”『STATE MM-1D』の利点とは…。

ところで、前回取り上げた「クラリオン」の『フルデジタルサウンド』は、仕組みが独特であり、また基本的には他社製品と組み合わせることを前提としていないので、単独で取り扱った。対して今回紹介する「ビーウィズ」の製品は、他社製品と組み合わせることも普通に行える。しかしながらなぜに単独で扱うのかというと…。

それは、各製品ごとに独特な特長があり、かつ、「ビーウィズ」製品同士を組み合わせて使うことで、新たなスペシャリティも出てくるからだ。

というわけで今回は、「ビーウィズ」製品ならではの特長、組み合わせの妙、そして、これだからこその楽しみ方のコツを、じっくりと解説していこうと思う。

早速、「ビーウィズ」製品それぞれの特長解説から始めよう。

まずは、メインユニットから。「ビーウィズ」が擁しているメインユニットとは、ルームミラーの形をした“リニアPCMプレーヤー”『STATE MM-1D』である。

当機の利点としてまず挙げるべきは、高音質であること、だが、当機はその上でさらに、「純正オーディオと市販カーオーディオシステムとを、共存させられる」という利点も持っている。

当機が初登場した2005年当時は(当時の製品名は『MM-1』)、「メインユニット交換」が、今以上に一般的に行われていたのだが、徐々に純正オーディオが取り外せない車種も増え始めていた。カーオーディオを導入しづらくなる流れが見え始めていたのだ。しかし『MM-1」ならば話が違った。純正オーディオを取り外さずに、高音質なメインユニットを車内に簡単装着可能となったのだ。しかも純正オーディオをシステムに取り込むこともできた(付属のインターフェースを用いて、純正オーディオの音声を入力することもできた)。

今でこそ、ポータブルデジタルオーディオプレーヤー(DAP)とプロセッサーとをシステムの核として取り入れ、ハイエンドシステムと純正オーディオとを共存させるケースが増えてきたが、『MM-1』は、その“ハシリ”だったのだ。しかも車載用のユニットであるので、DAPを用いるやり方よりも使い勝手も高い。先進性の高いメインユニットであるのだ。


■常識にとらわれず、音質最優先で製品開発を実行!

続いては、プロセッサーについてみていこう。「ビーウィズ」のプロセッサーと言えば、現行のトップエンドモデルとして『STATE A6Rシリーズ』がラインナップしている。

なお当シリーズの各機は、一般的なカーオーディオシステムの中で普通に使用可能だ。その意味では、至ってノーマルなプロセッサーであるのだがスペシャルな特長を2つ持っている。1つは、「ビーウィズ」製のメインユニット、『STATE MM-1D』との“MMダイレクト接続”が可能なこと。これを行うことで、『STATE MM-1D』の音声を音質劣化を最小限に抑えたバランスド・デジタル伝送によって高品位に再生できる。さらには両機の操作性も向上する。つまり、「ビーウィズ」製のメインユニットとプロセッサーを組み合わせたほうが、音質的なアドバンテージが得られる、というわけだ。

もう1つのスペシャリティは、“複数を連結して使える”こと。1台で使っても十分に高性能なのだが、連結して使うと機能はさらに拡張する。1台の税抜価格が40万円であるので、増やしていくのも楽ではないが、その気になればどこまでも高音質を狙えるプロセッサーである、というわけなのだ。

そして、パワーアンプも独特だ。というのも、「ビーウィズ」がラインナップしているパワーアンプはすべて、“モノラルアンプ”なのである。もしもフロントスピーカーを「パッシブクロスオーバーネットワーク」を使って鳴らそうとするならば、左右で1台ずつ、計2台のパワーアンプが必要となる。または、フロント2ウェイスピーカーを「マルチアンプシステム」で鳴らそうとする場合には、4台が必要となる。

このように、chごとで別アンプを用いると、“chセパレーション”が上がっていく。音質性能的に有利、というわけだ。

つまり「ビーウィズ」は、常識にとらわれずに音質を最優先して製品を開発しているブランドなのである。


■楽しむためのコツは主に3点アリ。3点目が結構、重要…。

さらには、スピーカーも独特だ。同社は今年、高い汎用性と取り付け性を備えた新シリーズ、『Reference AMシリーズ』をリリースしたが、トップエンド機である『Confidence lllシリーズ』と、セカンドラインである『Accurate lllシリーズ』は、ミッドウーファーをエンクロージャー(箱)に装着してドアにインストールすることを推奨している。この方法を実行しようとすると、通常の取り付け方よりも手間が掛かるが、エンクロージャー内にスピーカーの裏側のエネルギーを閉じ込めることができるので、スピーカーをコントロールしやすくなる。つまり、スピーカーの性能を引き出しやすくなるだ。

さて、このように独特な特長を携えた「ビーウィズ」製品であるのだが、これらを使った「ビーウィズシステム」をより楽しもうと思ったときのコツとは…。

コツの2つは、ここまでの説明の中で触れている。1つが、メインユニットとプロセッサーの両方を「ビーウィズ」製品で揃えること、そしてもう1つが、スピーカーに上級モデルをチョイスする場合、それをエンクロージャーに装着してインストールすること。この2つがまずはポイントとなる。

そしてもう1つ、とっておきのコツがある。それは「SIEG設置店」でインストールする、というものだ。「ビーウィズ」では、車室内音響特性測定装置「SIEG」(ジーク)を核とした独自の音質保証プログラムを用意している。これを用いると、経験や勘に頼ることなく、客観的なアプローチで取り付け・調整を実行できる。結果、取り付け・調整後の音のバラツキがなくなるのだ。ご参考にしていただきたい。

さて、独自の思想とノウハウによって、これでしか得られないスペシャルな魅力を多々提供してくれる、国産ハイエンドカーオーディオブランド「ビーウィズ」。興味があれば、「ビーウィズ」製品を搭載したデモカーや試聴機の置いてあるお近くの「ビーウィズ製品販売特約店」を探して、その音を聴いてみるベシ。

内蔵? パッシブ? マルチ? 『システム構築術研究』その8「“ビーウィズ”システム」編

《太田祥三》

この記事の写真

/

特集