【カーオーディオ・マニア】上級AV一体型ナビに搭載されている「イコライザー」のトレンド…サウンドチューニング大辞典
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先週までは、簡易的な「イコライザー」について、その仕組みや使い方のワンポイントアドバイスをお届けしてきた。今回はそれに引き続き、上級AV一体型ナビに搭載されている「イコライザー」のトレンド分析を展開していく。
現在、上級AV一体型ナビでは“13バンド”タイプが主流だ。前にも説明したとおり、人間の可聴帯域は20Hzから20kHz。音程でいうと10オクターブの広さがある。“13バンド”ともなると、1バンドあたりの担当範囲が1オクターブを切ってくるので、「イコライザー」の本来の目的である「周波数特性の乱れを補正する」ことに対して、ある程度の効力を発揮できるようになる。
しかしながら、ハイエンドカーオーディオの世界では、“13バンド”ではまだまだ物足りない。ではどのくらいのバンド数が求められているのかというと…。
ズバリ、“31バンド”が、ハイエンドカーオーディオの世界でのスタンダードだ。1バンドあたりが約1/3オクターブ、という詳細さで調整可能な「イコライザー」が求められているのである。
このレベルの「イコライザー」を搭載しているAV一体型ナビもある。三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』(プレミアムモデル)と、カロッツェリアの『サイバーナビ』には、それぞれ“31バンド”の「イコライザー」が搭載されている。
しかも『ダイヤトーンサウンドナビ』では“フロント左右独立”、『サイバーナビ』では“フロント/リア/サブウーファー独立”、または“左/右/サブウーファー独立”で調整することが可能だ(モードによってどちらかとなる)。
この“左右独立”というのは何かというと、つまりは「右chと左chそれぞれを、個別にコントロールできる」という意味である。
車室内環境は、左右で状況が異なっている。ダッシュボードをみると、運転席側にはメーターフードがあったり、当然ながらステアリングもある。スピーカーからリスナーへの距離も異なり、トゥイーターをAピラーやミラー裏に装着する場合ならば、左右で取り付け角度が変えられるケースも多々ある。となると、周波数特性の乱れ方も左右で異なってくるのである。これに対応するために、“左右独立”で調整可能な「イコライザー」が求められ、両社はその求めに応じて“左右独立”でコントロールできる「イコライザー」を搭載させた、というわけなのだ。
今週はここまでとさせていただく。次週もこれに引き続いた内容でお贈りする。お楽しみに。
【サウンドチューニング大辞典】第1章「イコライザー」その5「上級AV一体型ナビのトレンド」
《太田祥三》
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