【インタビュー】ショーファーカーからドライバーズカーへの変貌がカギ…ロールスロイス | CAR CARE PLUS

【インタビュー】ショーファーカーからドライバーズカーへの変貌がカギ…ロールスロイス

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ロールスロイス・ファントム
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2017年、ロールスロイスの日本市場での登録台数は225台で、2016年の223台(いずれもJAIA調べ)とほぼ同数を記録。しかし、昨年は『ファントム』の販売がなかったことから、他モデルが増加したことになる。そこでこういった要因や、同社の日本市場への取り組みなどについて話を聞いた。

◇パーソナルカーが堅調に推移

---:ロールスロイスは日本市場において、2012年の90台から5年間で2.5倍も登録台数を増やしています。そこで、この間でどのようなことがあったのかを教えてください。

ロールス・ロイス・モーター・カーズアジア太平洋 北部地域広報マネージャーのローズマリー・ミッチェル氏(以下敬称略):2013年の末にクーペの『レイス』がデビューしました。2014年はフルイヤーでの販売となり、台数が伸びています。そして2015年に『ゴースト』がモデルチェンジし、シリーズ2を発表しました。2016年はコンバーチブルの『ドーン』が導入されています。更にゴーストとレイス、ドーンに「ブラックバッジ」シリーズが追加されました。

---:そういったクルマの販売状況はどうでしょう。

ミッチェル:日本ではコンバーチブルが売れる国というイメージはありません。しかし、ドーンに関しては好調で、昨年は一番人気でした。前年の2016年はレイスが一番売れています。ブラックバッジシリーズも人気が高く、一時は全体の過半数を超える勢いでした。この結果、特に昨年は『ファントム』の販売がなくても、前年と同等の数字を記録することが出来たのです。

日本市場においてロールスロイスは戦前から導入されているほど歴史は長く、そのブランドはよく知られ、オーナーも深い知識を持っている人たちです。そういった方々は新しいモデルを導入するとすぐに購入してくださいますので、(新型車が)市場に浸透するのも早いのです。

◇変わりつつあるユーザー層

---:ロールスロイスのイメージはこれまでショーファーカー、運転手付きで乗るクルマというものが強かったように思います。しかし、この結果を見ると、近年では大きくドライバーズカーのイメージに変わってきているようですね。もちろん、最近のユーザーもショーファーカーとして買う人たちも多いのでしょうが、自分で運転することを重視して購入しているユーザーも多くなっているようにも感じますが、いかがでしょう。

ミッチェル:その通りです。半分以上のユーザーが自らステアリングを握る人たちです。

---:つまり、ユーザー層が変わってきているということですか。

ミッチェル:そうです。レイスとドーンは100%ドライバーズカーですし、ゴーストも半分くらいはドライバーズカーとして購入されています。また、ファントムに関しても、自分のご褒美として購入して、週末は奥様と別荘へお出かけするクルマとして使われている方もいらっしゃいます。

こういった新しいユーザー層は、これまでスポーツカーなどに乗っていて、クルマが好き、運転が好きな方たちで、ロールスロイスは自分が選ぶクルマではないと考えていました。しかし、レイスやドーンを見て、運転して楽しそうなロールスロイスが出たと興味を持ち、購入に至るようになったのです。

---:この運転の楽しさとはどういうものでしょう。

ミッチェル:アクセルを踏めばもちろん速いのですが、そうではなく、飛ばさなくても優雅にゆったりと乗れ、疲れなく長距離を走ることが出来るというものです。

◇カリナンは年内、拠点増加も視野に

---:本国はこのような日本市場をどう評価していますか。

ミッチェル:とても重視している市場です。その理由のひとつに、台数が安定しているということがあります。つまりこれまで販売しているクルマはそのまま台数を確保し推移しつつ、ニューモデルを出せばそのまま純増するので、安定した市場と捉えているのです。

---:今後の日本市場での展開を教えてください。

ミッチェル:まずSUV のプロジェクト『カリナン』がグローバルで夏ごろに公開され、日本へも年内には発表出来るでしょう。これにより、ファントムをフラッグシップに、ロールスロイスのラインナップが完成します。

次にネットワークですが、この3年間で3店舗から6店舗になりました。これも販売好調の要因です。そして、プロジェクトカリナンの投入を踏まえ、東京より北の方面での展開も検討しています。

ショーファーカーからドライバーズカーへの変貌がカギ…ロールスロイス[インタビュー]

《内田俊一》

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