【カーオーディオ・マニア】愛車で“低音”を鳴らすには「パワードサブウーファー」が必要
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今回はその第2回目として、「パワードサブウーファー」にスポットを当てる。
■「パワードサブウーファー」とは、低音を鳴らすために必要なものが“一体化”したユニット。
まずは、「パワードサブウーファー」とはどのようなものなのかを解説していく。
「パワードサブウーファー」は、以下の3要素で構成されている。1「サブウーファーユニット」、2「パワーアンプ」、3「ボックス」。
低音を再生するためには、どのようなケースにおいても上記の3要素が必要となる。つまり「パワードサブウーファー」は、低音を鳴らすための必要要素が一体化したユニット、というわけだ。それぞれを個別に用意するのと比べて、より合理的に低音再生を実行できるのだ。
ちなみに、フロントスピーカーを鳴らすためには、外部パワーアンプは必ずしも必要ではない。なぜなら、メインユニットに内蔵されているパワーアンプでも駆動できるからだ。しかし「サブウーファー」は、メインユニットの内蔵パワーアンプでは鳴らせない。その理由は至って簡単だ。「サブウーファー」は口径が大きく、これを鳴らすためには大きなパワーが必要だからだ。内蔵パワーアンプでは力不足なのである。
「ボックス」が必要となる理由も解説しておこう。それをひと言で言うならば、「裏側から発せられる音を閉じ込めたいから」だ。スピーカーは、振動板を前後に動かして空気を震わせて音を伝えるのだが、これと同じことがスピーカーの裏側でも行われている。つまり、表側からも裏側からも音が放出されている。
それらは耳で聴く分には同じ音なのだが、音波としては真逆の状態だ。もしも真逆の音波が空間で交わると…。
お互いを打ち消し合う“キャンセリング”という現象が引き起こされる。「ボックス」はその“キャンセリング”を防ぐために存在しているのである。
■実用性を取るなら「コンパクトタイプ」、音質を優先させるなら「本格タイプ」。
続いてはタイプ解説を行っていこう。「パワードサブウーファー」には2タイプが存在している。1つは「コンパクトタイプ」、もう1つが「本格タイプ」だ。
「コンパクトタイプ」は、手軽であることをさらに伸長させたもの、ということができる。小型・薄型に仕上げられていて、シート下に取り付けることも可能なものが多い。インストール性までも含めて、簡単に低音強化が行えるようになっているのだ。
対して「本格タイプ」は、「サブウーファーユニット」「パワーアンプ」「ボックス」が一体化しているという点ではお手軽なれども、インストール性には多少目をつぶり、それよりも音にこだわろうとしているタイプである。「サブウーファーユニット」に本格タイプを使い、空気をしっかりと震わせて低音を再生させようとする。振動板がしっかりストロークするので、より骨太な低音を再生可能となるのだ。
しかし「ボックス」はある程度大きくなるので、シート下には到底装着できない。トランクルームに設置することとなり、積載性が少なからず犠牲になってしまう。
実用性を取るか音質を取るか…。そこがチョイスの分かれ目となる。
なお、「コンパクトタイプ」の中には、薄型ではあるけれどシート下には入らない大型タイプや、トランクのスペアタイヤスペースに収めようとするタイプなども存在している。前者は「コンパクトタイプ」の仲間でありながらもより高音質に振ったタイプと言っていい。後者は、シート下にはすでに何かしらのユニットが設置されて塞がっている、というケースで重宝する。
■設置の際には、音楽信号の配線作業が少々面倒なケースも出てくる…。
次は、使い方について解説していこう。「パワードサブウーファー」を設置する際の最大のポイントは何かと言うと…。答はズバリ、「音声信号をどうやって入力するか」だ。
ただし、愛用のメインユニットに“サブウーファー出力”が備わっていれば、音声信号の配線作業はそれほど大変ではない。その出力端子と「パワードサブウーファー」の音声入力端子とをピンケーブルで繋げば、音声の配線は完了する。
なお、メインユニットに「サブウーファー出力」が備わっている場合は、低音のコントロールもしやすくなる。「サブウーファー出力」を備えたメインユニットには、「クロスオーバー機能」が搭載されているケースが多く、結果、より詳細なサウンドチューニングが可能となるのだ(コントロール方法については、連載の後半の記事でじっくりと解説予定)。
対して、メインユニットに「サブウーファー出力」が備わっていない場合は、音声信号の配線が少々面倒になる。メインユニットに出力端子が備わっていないので、スピーカーに繋がっているケーブルのどこかしらで配線を分岐させて音楽信号を取り込む、という作業をしなくてはならなくなるのだ。
そしてこれを実行するときには、「どこで分岐させるか」、この見極めが非常に重要となる。見極める際のポイントは2点ある。1つは「合理性」。「パワードサブウーファー」の設置場所を鑑みつつ、できるだけケーブルの引き回しが簡略化できる場所から分岐させたい。
2点目は、「低音がカットされていない信号であること」。例えば、ツィーターに繋がっている配線では、そこを流れている音楽信号は、低音成分がカットされた後の信号である可能性もある。
分岐させる場所のオススメは、リアスピーカーの手前だ。リアスピーカーはセパレートタイプになっていない場合がほとんどだ。リアスピーカーがフルレンジタイプであれば、そこにはフルレンジの信号が流れているはずである。低域がカットされた信号である可能性は相当に少ない。
なお、リアスピーカーの手前から分岐させる場合、その作業は左右で行わなければならない。左右から音楽信号を引き込み、「パワードサブウーファー」の直前でそれを“合成”して(モノラル信号にして)から入力するのがセオリーとなる。
今回は以上だ。次回は、「コンプリートウーファーボックス」について解説する。お楽しみに。
“ロー”を制する者はカーオーディオを制す! Part.2「パワードサブウーファー」をアドオン!
《太田祥三》
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