【カーオーディオ・マニア】ビギナーはシステムに「コントロール機能」をアドオンせよ! … Part8 ダイヤトーンの場合 その2 | CAR CARE PLUS

【カーオーディオ・マニア】ビギナーはシステムに「コントロール機能」をアドオンせよ! … Part8 ダイヤトーンの場合 その2

特集記事 コラム
『ダイヤトーンサウンドナビ』の“タイムアライメント”の設定画面。
『ダイヤトーンサウンドナビ』の“タイムアライメント”の設定画面。 全 1 枚 拡大写真
カーオーディオの音を良くしようと思ったときの有効な作戦として、「“コントロール機能”を追加すること」をおすすめする短期集中連載をお届けしている。今回は前回に引き続き『ダイヤトーンサウンドナビ』をフィーチャーし、これだからこそできることを紹介していく。


■純正“フルレンジスピーカー”の抱える問題を、『ダイヤトーンサウンドナビ』は解決可能?

前回、『ダイヤトーンサウンドナビ』には“マルチウェイ・タイムアライメント”という機能が搭載されていることを紹介した。そしてこの「ダイヤトーン」ならではの機能によりもたらされるメリットについても解説した。

しかし、1回でそのすべてを紹介しきれなかったので、その続編をお贈りしたいと思う。今回は、他の“コントロールユニット”では行えない、『ダイヤトーンサウンドナビ』ならではのスペシャルな“サウンドチューニング術”を紹介していく。それは主に2つある。

まずは1つ目となる、“仮想2ウェイタイムアライメント”から紹介していこう。

これが有効となるのは、フロントスピーカーがフルレンジタイプの場合だ。純正スピーカーの中には、左右で1つずつしかスピーカーが設けられていない場合がある。ドアに装着したスピーカーだけで低音から高音までの全帯域を鳴らそうとするのだが…。

しかしながら実を言うと、1つのスピーカーだけで全帯域をクリアに鳴らすのは至難のワザだ。なのでフルレンジスピーカーには高音質を期待しづらい。

さらには、「音像が上がりにくい」という問題も発生する。音が足元から出てくるのでそれも致し方ない話なのだが…。しかし、『ダイヤトーンサウンドナビ』なら、それへの対処が可能となる。


■高音と中低音を個別にコントロールすることでなんと、音像を上げることが可能となる。

それを可能とするのが、“仮想2ウェイタイムアライメント”だ。音の出所は1か所であるにも関わらず、あたかもそれを“2ウェイスピーカー”のように扱うことができるのだ。フルレンジスピーカーから発せられる音を高音と中低音とに2分割して、それらに別々の“タイムアライメント”をかけたり音量を調節できるようになるのだ。

そのようにするとリスナーは、いわばツィーターがあるかのように錯覚して高音が高い位置から聴こえてくる。そしてそれにつられて音像全体の高さも上がってくるのだ。

そしてもう1つのスペシャルな“サウンドチューニング術”とは、“仮想3ウェイタイムアライメント”だ。2ウェイスピーカーをあたかも3ウェイスピーカーであるかのように“仮想”して運用する、というものだ。

2ウェイスピーカーでは、高音をツィーターに、中低音をミッドウーファーに振り分けて効率良く音楽を再生しようとするのだが、それでも実際は、ミッドウーファーはかなり広い音域を受け持つこととなる。このことが、以下のような弊害を引き起こしてしまう。近いほうにあるミッドウーファーが発する低音の音量を大きいと感じ、逆に中音は、遠くにあるスピーカーが発する音のほうを大きく感じることとなる。帯域バランスが崩れがちとなるのだ。

ちなみにホームオーディオでは、2ウェイだからといって帯域バランスが崩れることはない。なぜなら、すべてのスピーカーと正対でき、かつ、すべてのスピーカーと等距離の場所にリスニングポジションを取れるからだ。


■“指向性”の違いから帯域バランスが崩れることに。しかし『ダイヤトーンサウンドナビ』なら…。

しかしカーオーディオでは、それぞれのスピーカーの向きがばらばらで、かつリスナーとの距離差もある。これらが帯域バランスを崩す原因となってしまうのだ。

そのメカニズムは以下のとおりだ。

まず、音には高い音と低い音とで性質が異なる部分がある。違いとして大きいのは“指向性”だ。高い音は“指向性”が強いので真っ直ぐ進みやすい。対して低音は“指向性”が弱いので、真っ直ぐには進みにくい。

で、ドアのスピーカーの“向き”をイメージしてほしい。運転席側のドアスピーカーは自分から見て大きく横を向いていて振動板が見えにくい。となると“指向性”の強い中音のエネルギーは減衰傾向となる。しかし低音は割としっかり聴こえる。

逆側のドアスピーカーは、それよりは自分のほうを向いている。なので、より真っ直ぐに進む中音は右側よりしっかりと聴こえる。

このようにして、帯域バランスが崩れてしまうのだ。

しかし『ダイヤトーンサウンドナビ』では、ミッドウーファーが受け持つ範囲を分割してコントロールできるので、近いほうのミッドウーファーから発せられる低音の音量をやや下げたり、さらには距離差の調整も加えることで、全体の聴こえ方のバランスを整えることが可能となるのだ。

いかがだったろうか。難しい話ではあるのだが、『ダイヤトーンサウンドナビ』では、独自機能である“マルチウェイ・タイムアライメント”を活用して、このようなスペシャルな“サウンドチューニング術”も実行できるのである。

『ダイヤトーンサウンドナビ』についての解説は以上で終了する。次回は、クラリオンの『フルデジタルサウンド』について、そのコントロール機能に着目しながらこれならではの特長を解説していく。お楽しみに。

ビギナー必見! システムに“コントロール機能”をアドオン! Part8「ダイヤトーンの場合 その2」

《太田祥三》

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