本記事では、BSサミット事業協同組合・業界問題委員会を中心に収集している他社工場での粗悪修理の事例を紹介していく。目の届かない部分における手抜き処置や、質の低い作業など、粗悪修理の行われた車両は、命の危険も伴う。今後このような不具合車両が無くなるよう、安全で適切な修理を行うことの重要性を呼びかけていきたい。
外観しか修理されていなかった
損傷程度が軽い修理で入庫した車両。状態を確認したところ、写真のようにフロントのサスペンションのスタビライザー取付部が溶接されていた。この部位は本来、ボルトで取り付けられるのが正規であり、前回の事故修理が不適切で取り付けができなかったものと推定される。また、サイドメンバーが今回の事故損傷とは別に屈曲した状態で、前回の修理作業が外観のみの修理作業で終わっていたことが裏付けられた。
過去の修理がひどすぎて全損扱い
前回りの損傷で入庫したが、過去の修理がひどく、ユーザーに現状を確認してもらった上で全損扱いになった車両。写真でも解るとおり不正修理の典型的な事例だが、この不正修理した工場が現状ではわからないことも問題だ。
スポット溶接がはがれてサビが発生
前回りの事故で入庫した車両。状態を確認すると、過去の修理作業の不正修理で溶接不良があり、スポット溶接がはがれサビも発生している。また、運転席、助手席ともにエアバッグが展開していて、いい加減な修理作業の典型と言える。