自作カートで坂道を爆走! スープラやネコバスも参戦!? レッドブル・ボックスカートレース…ロンドン大会
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イベントレポート
ボックスカートレース(海外ではソープボックスレースとも呼ばれる)は、無動力のカートで坂道を下る競技。レッドブル主催の大会は、2000年にベルギーで第1回をスタートして以来、世界で110回以上のレースが行われている。
◆自作のカートで坂道を一気に下る
ロンドンでの大会は、今回で6回目。2013年からは2年に1回開催されており、今年唯一の有料開催ながら約2万人が来場するというからその人気ぶりがうかがえる。当日も会場には、老若男女問わず多くの観客が集まった。
舞台はロンドン北部の高台に位置する元宮殿の建物を改修し、現在は劇場、コンサートホール、スケート場などを備え公園も併設するアレクサンドラ・パレスだ。コースはこの敷地内にある坂道に設営され、全長約500m、4つのジャンプ台を設けた坂道を下る。全64チームが、個性豊かなマシンで熱い闘いを繰り広げた。
カートは全長4m以下×全幅1.5m以下×全高2m以下で重量80kg以下(ドライバーの体重は含まず)で制作し、ブレーキとハンドルを搭載する。蓄電池や外部エネルギー、加速器の搭載や発射台の使用は禁止で、カートは重力のみでコースを走行(スタート時のみチームメンバーが後ろから押すことは可能)。ドライバーは2人まで乗ることができる。競われるのは速さだけではない。マシンの創造性とスタート前に行うパフォーマンスが採点され、レースタイムと合わせての結果が出る。
◆精度の高いマシンとコスチュームの数々
まず目を惹いたのは、チーム「2 FAST 2B FURIOUS」のトヨタ『スープラ』を模したカートマシンだ。映画『ワイルド・スピード』テイストのデザインで、モトバイク用のタイヤやダブルウィッシュボーンのサスペンションを使用、ボディはグラスファイバー製と車好きのこだわりが随所に詰まっている。「日本のスポーツカーが好きで、コスチュームにもこだわったよ」という彼ら。メンバーは日産『GT-R』、三菱『エクリプス』、VW『ジェッタ』、ダッヂ『チャージャー』のコスチュームを着てスタート前のパフォーマンスを行った。レースでは、約53km/hで駆け抜ける健闘を見せ全体15位の結果を残した。
「TEAM TOTORO」はネコバスのマシンで参加。毛足の長いリアルな生地でボディを覆い、コスチュームの完成度も高い。「ジブリの作品が大好きなんだ。とっても楽しいよね」というメンバーはそれぞれ、トトロ、もののけ姫のサン、千と千尋のカオナシ、ハウルの動く城のカブに扮している。制作には3カ月がかかったといい、毎週末作業に時間を費やしていたそうだ。「ジャンプ台があるので、全体のバランスには気を遣った。安定して走れるといいんだけど…」と話していたが、無事に完走を果たし8位となった。
その他、約5カ月かけて制作された3段式のアポロ号、シミュレーターや高級パーツを駆使し約30万円のマシンを作り上げたチーム、バンブルビーやアベンジャーズなど、アイディアとユーモアセンス溢れるマシンが続々登場。
ジャンプ台は50cmほどの高さがあり、平均30~35km/hのスピードが出るので、着地時の衝撃は少なくない。パーツをバラバラと落としながら最後にはシャシーが丸見えになってしまったり、スピンしてストローバリアにぶつかってしまうマシンも続出。水や枯れ葉が撒かれているものもあり滑りやすい。コースにはカーブが複数設けられているので、全体の重量バランスとドライバーのテクニックも鍵となる。難易度はそれなりに高そうだ。ちなみにジャンプ台を避けて通過すると、観客から容赦ないブーイングが飛んでくる。
優勝したのは「TEAM GAS GAS GAS」。前回は14位という結果だったが、見事リベンジを果たした。コース脇で応援する人、食事やドリンクを楽しみながらピクニック気分で楽しむファミリーなど観戦の仕方は様々。会場には終始笑顔と笑い声が溢れ、参加者も観客も全員がこのイベントを楽しんでいたのが印象的だ。
◆10月には東京大会を開催
このボックスカートレースは日本でも2009年、2012年、2017年の過去3回開催されている。今年も10月6日によみうりランドにて予定されており、無料で観戦することが可能。一般公募による50チームが決定し、現在出場に向けて準備中だ。一見ふざけているようでなかなか奥の深いボックスカートレース。東京大会ではどのようなパフォーマンスが見られるだろうか。
■レッドブル・ボックスカート・レース東京
開催日:2019年10月6日 12時00分~18時00分(予定)
会場:よみうりランド特設会場(東京都稲城市・神奈川県川崎市)
※観戦無料(遊園地を利用する場合、別途入園料が必要)
《協力 レッドブル・ジャパン》
スープラやネコバスも登場! ふざけているようで奥が深い、レッドブル・ボックスカートレース…ロンドン大会
《吉田 瑶子》
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