フィルムにスプレー型…製品も施工店も急速に広がる「ペイントプロテクション」 | CAR CARE PLUS

フィルムにスプレー型…製品も施工店も急速に広がる「ペイントプロテクション」

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フィルムにスプレー型…製品も施工店も急速に広がる「ペイントプロテクション」
フィルムにスプレー型…製品も施工店も急速に広がる「ペイントプロテクション」 全 17 枚 拡大写真
クルマのボディ塗装面を飛び石や小キズなどから守る術として、世界中で普及しているペイントプロテクションフィルム(PPF)。これまではCFRP(炭素繊維強化プラスチック)素材などが多く外装補修が高額になりがちなスポーツカーやスーパーカーなど、一部の超高級車を中心としたニーズにとどまっていた。



ただ、最近では従来のフィルムタイプに加えてスプレータイプも広まるなど製品タイプが多彩になり、施工する車種や取り扱い施工店も拡大しつつある。


◆国産ディーラーにも波及 世界で支持される定番フィルム

PPFで現在、主流となっているのがフィルムタイプだ。一定の厚みをもつフィルムをボディに貼り付ける方法で、例えば軍由来の独自品質で世界的にも支持される米「XPEL(エクスペル)」社のPPFは、約152μmのウレタンフィルム層でボディを保護する。

各ボディに合わせた形状にフィルムをカットする独自のシステム「DAP(デザイン・アクセス・プログラム)」も、精度や対応モデル数の面で高く支持されており、超高級車のPPF市場において全世界で約4割、日本では約9割という圧倒的なシェアが、同ブランドの高い品質を物語っている。




最近では超高級車のみならず、レクサスディーラーのオプションとして採用されたり、ヘッドライトやドアエッジ、トランクエッジなど部分的に施工したりといったケースも増えているそうだ。



◆スプレー型のプロテクションという新たな潮流

一方で、スプレータイプの製品も広がり始めている。フィルム同様に各国各ブランドが展開されているが、とりわけ近年では、国内のディテイリングショップ「カーメイクアートプロ」や鈑金塗装工場「ビーライト」らが立ち上げた日本発ブランド「Fenix(フェニックス)」の「Scratch Guard(スクラッチガード)」が急速に導入店を拡大させている。



塗装の上に130μm~200μmという厚みのクリア層を構築するが、フィルムとの大きな違いは液剤を塗装ブースでスプレー噴霧するという施工方法だ。この手法により、各パーツを脱着して隅々までプロテクションフィルムを施工することが可能で、継ぎ目のない仕上がりとフィルムタイプではカバーしきれない複雑な形状や細部に至るまでのプロテクションを実現。通常の塗装と同様、ポリッシャーによる磨きやコーティング施工が可能なのも特徴となっている。






スプレー式のもう1つの大きな特徴が施工店で、塗装ブースが必要な一方で、カーディテイリングに特化したプロショップでは塗装ブースを保有していないケースも少なくない。そのため、クルマを綺麗に保つというディテイリングの領域ながら、最近では鈑金塗装を手掛けるプロショップでの導入が進んでいる。

スクラッチガードは10月1日、鈑金塗装、カーディテイリングを手掛ける大手のソフト99オートサービスにて取り扱いを開始。さらに、海外ではタイ唯一のポルシェクラシックセンター(クラシックポルシェのサポートの認定施設)である「ポルシェセンター・バンコク」でも正式に導入される。現行のスーパーカーからクラシックカーまで、そして国内大手鈑金・ディテイリングショップから海外の修理・整備センターまで、幅広いクルマ・施工店への導入が進んでいるのだ。







◆愛車オーナーにとっては“店選び”も大切

フィルムタイプにしてもスプレータイプにしても、愛車を綺麗に保ちたいオーナーにとってPPFは心強い味方。ただ、大切なのは車両の状況や予算、保管環境、質感の好みなどに応じてしっかりと製品を選ぶこと。そして何よりも、仕上がりの差に直結する施工技術=施工店選びも欠かせない。

製品・施工店の両面で選択肢が広がっているだけに、決して自分のクルマがスーパーカーや高級車ではなくても、愛車を大切にしたいと思うオーナーはチェックしておいて損はないハズだ。

《カーケアプラス編集部@相原駿》

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