名車の“オリジナル”を維持するディテイリング技術…東京モーターショー&ラ・フェスタ ミッレミリア
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イベントレポート
両者ともに日本が世界に誇るイベントだけに、多彩な出展車両は見るだけで心躍るが、実はコーティングやペイントプロテクションといったカーディテイリングの熟練の技がそれを支えていることをご存知だろうか。特に東京モーターショーでは、初めての連携として日本スーパーカー協会が出展。往年のクルマ好きを魅了する名車とともに、車両をより美麗・堅牢に仕上げるディテイリングの技が披露された。
◆東京モーターショーで異彩放つ往年のスーパーカー
電気自動車や自動運転を見据えたモビリティなど未来を指し示す展示が多くを占めた東京モーターショー。その中で、一際異彩を醸し出していたのが日本スーパーカー協会のブースだ。
イベントやメディア露出を通じ、スーパーカーの普及を推進する同協会ブースでは、マクラーレン『セナ』やアストンマーティン『DBSスーパーレッジェーラ』、ダラーラ『ストラダーレ』、ランボルギーニ『アヴェンタドール』など、最新鋭のスーパーカーがずらり。もちろんこれらにも目を奪われるが、長年のクルマ好きがつい“懐かしい憧れ”を思い出してしまうのが、フェラーリ『F40』『F50』のコンビではないだろうか。
クラシックな雰囲気を漂わす2台のフェラーリ。そのナンバープレートには、ラッピングなどの高い技術でカーディテイリング業界内でも知名度の高いプロショップ「アクティブガレージ(東京都江戸川区)」の文字も。
実はこの車両は一般カーオーナーが所有しており、協会の依頼で今回の出展が実現。同オーナーが信頼を寄せるアクティブガレージにてエクスペル社のペイントプロテクションフィルム(PPF)を施工し、大舞台で他の新型車両に負けない輝きと、大勢の来場者に晒されても傷付かない堅牢性を実現した。
今回の施工・出展にあたりアクティブガレージ・阿部代表は、「利便性や環境性能を追求した自動車に目がいきがちな時代でもあるが、同時に由緒あるモデルをオリジナルの状態で残すことの価値も高まってきたように感じる。大切な愛車を美しく長く維持したいというオーナーも増えているので、それをディテイリングの観点からサポートできれば」と想いを語る。「東京モーターショーも時代に沿って姿形を変えていく中で、古典的なクルマ好きを安心させられたかな」という冗談交じりの言葉通り、ブース前を通りがかる来場客からは懐かしさに想いを馳せる言葉も聞こえてきた。
◆クラシックカーをより輝かす
“オリジナルを残す”という点では、それが一層重視されるのがクラシックカー。その世界でも、ディテイリングの技が活躍している。
東京モーターショー会期中でもある10月25~28日、毎年恒例のクラシックカーラリー「ラ・フェスタ ミッレミリア」が開催された。海外メディアも集まる世界的にも格式高いイベントで、今年は英・独・伊などの欧州車を中心に、シボレー『コルベット』といったアメ車やトヨタ『2000GT』のような国産車まで約100台の貴重な名車が集結。25日にゴール地点でもある原宿・明治神宮を発って福島県、宮城県、山形県を周遊後、栃木県、千葉県を経由し、4日間をかけて約1100kmを走破した。
同イベントではここ10年程、ディテイリングのプロショップ「アペックス(栃木県宇都宮市)」がサポートを手掛けている。カーケア用品大手の「オートグリム」とタッグを組み、出走前のクラシックカーを磨きあげる。元々コンディションの整った世界的な名車が、より一層輝いた姿で日本を周遊するわけだ。
「綺麗に仕上げることはもちろんだが、『オリジナルの塗装』そのものが価値を持つクラシックカーは、そのことを十分に理解してケアしなければならない」と語るアペックス郡司代表。今年は生憎の悪天候でのスタートとなり、例年の出走前のカーケアは残念ながら行われなかったが、雨にも関わらず現場に駆けつけ、「小さな規模のディテイリングという世界を、より多くの人に知ってもらえる機会になれば」と期待を口にした。
近年では、新車納車時のコーティングや暑さ対策のカーフィルムなど、大衆車オーナーでも触れる機会が増えてきているカーディテイリング。スーパーカーやクラシックカーといった「後世に残すべき往年の名車」においても、ますます注目度が高まっている。
《カーケアプラス編集部@相原駿》
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