ホンダ&ローバー、スバル&オペル…大人の事情で生まれた兄弟車たち【懐かしのカーカタログ】
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◆VWルポ & セアト・アローザ
3世代目『ポロ』よりホイールベースでー90mm、全長でー190mm(いずれも日本仕様で比較)それぞれ短い『ルポ』は、VW最小のチャーミングなコンパクトカー。写真のカタログは高性能な4気筒の1.6リットルDOHC搭載のGTI、ほかに3リットルカー(100kmを3リットルの燃料で走るディーゼル車)なども用意された。
一方の『アローザ』は、VWグループ、スペインのセアトの当時の1モデル。写真でもおわかりのように外観ではフロントマスク以外はほぼ共通。カタログは高性能版の“レーサー”で、『ルポGTI』と同様の1.6リットルエンジンを搭載。インテリアにはバケットシート、4点式シートベルトなどを装備。
◆ホンダ・コンチェルト & ローバー400シリーズ
ホンダ『コンチェルト』は、4代目『シビック』と同世代のセダン(と5ドア)として誕生。上質な雰囲気の室内空間と『シビック』とは一線を画す快適な乗り味が特徴のクルマだった。この80年代にホンダがオースチンローバーグループと提携関係にあり、そこで生まれたのがローバー『400』シリーズ。
日本市場には4ドアセダンの“416Si”が展開され、『コンチェルト』にはない本革内装をもっていた。ただしサスペンションは『コンチェルト』が4輪ダブルウイッシュボーンだったのに対し『400』シリーズはフロントがマクファーソンストラット、リヤがウイッシュボーンと違いがあった。
◆マツダ・プレマシー & フォード・イクシオン
初代『プレマシー』の登場は1999年のこと。Cセグメントの『ファミリア』をベースに仕立てられたクルマで、全長4340mmのコンパクトなボディに3列/7人乗り(2列/5人乗りの設定もあった)の実用性を詰め込んだのが最大の特徴だった。このクルマの後に同クラスの3列シート車のフォロワーが多数、誕生した、パイオニア的存在でもあった。コラムシフトや、フルフラットに格納できるサードシートなど、実用を重視した設計。
そのOEM版だったのがフォード『イクシオン』で、専用のフロントマスクやボディ色が設定されるも、エンジン、駆動方式(FFと4WD)などは共通。
◆オペル・ザフィーラ & スバル・トラヴィック
2000年に日本市場に投入されたオペル『ザフィーラ』。VW『トゥーラン』の日本市場登場が2004年だったことを考えると、このクラスのMPVとしては早期の登場だった。オペル『アストラ』がベースで、可変インテークマニホールド採用の1.8リットルエンジン(エコテックと呼んだ)を搭載。2列目シートは大きくスライド可能なほかチップアップ方式の折り畳み機構を採用。床に伏せてフラットに畳めるサードシートとともに、高い利便性を誇った。
一方でスバル『トラヴィック』は、カタログ写真で見る限りバッジの違い程度に思えるが、『ザフィーラ』とは生産工場、エンジンを始め、少なからず違いがあったほか、サスペンションにもスバル側で独自の設定が反映されていた。
◆VWシャラン & フォード・ギャラクシー
VWとフォードの協業により誕生したのがVW『シャラン』とフォード『ギャラクシー』だった。VWでいえば『ヴァナゴン』などがピープルムーバー自体はもっていたものの、『シャラン』『ギャラクシー』は新世代のMPVらしくモノフォルムのスタイリングを採用。ゆったりとした室内に用意された7座のシートは全席独立しており、前席は180度回転が可能、セカンド、サードシートは各席とも脱着が可能だった。搭載エンジンはVW製の2.8リットルのいわゆるVR6。
なお『ギャラクシー』は、もともとアメリカン・フルサイズセダンの車名でもあった。
《島崎七生人》
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