シトロエン『アミ6』60周年…フランス語の車名「アミ=Ami」の由来は?
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アミ6は、ちいさな外寸の割に室内空間が広い“大きな小型車”だった。「このモデルは2CVの置き換えを意図しておらず、明確に異なる」と1961年のプレスリリースには書かれていた。アミ6の投入により、『2CV』『ID』『DS』をそろえたシトロエンは、小型経済車から大型高級車までの製品レインジを完成させる。アミ6はレンヌの新工場で生産された。
デザイナーは、『トラクシオン・アバン』、『2CV』、『DS』をデザインしたフラミニオ・ベルトーニだ。ベルトーニは1964年になくなるので、アミ6が最後の自動車デザインとなった。
ベルトーニは、リアウィンドウを後ろ向きに傾斜させるという、大胆なアイデアを採用した。アミ6が唯一ではないが、採用例は少ない。今の日本では“クリフカット”と言った方が通りがいいかもしれない。これには、雨が降ってもガラスが濡れにくいので視界を確保できる、同じ車両全長でトランク開口部と後席空間を広くできる、といった利点があった。
アミ6はマーケティングでもいくつか新しい試みがあり、広告では「家庭の主婦のために理想的なセカンドカー」と打ち出した。また「マイルあたりの快適性は世界でいちばん安い」といったスローガン(と実際の性能)も話題になった。
アミ6シリーズのターニングポイントは、1964年のステーションワゴン(フランス語でブレク)の追加だ。車体は小さいながらペイロードは320kgあった。サルーンよりも台数が売れ、自動車の歴史で珍しい例だ。1971年までに100万台のアミ6が販売され、そのうち55万台がステーションワゴンだった。
アミ6の生産はサルーンが1969年3月に終了、ステーションワゴンもその半年後に終了した。後継は「アミ8」で、リアウィンドウは“正しい”向きに傾いていた。
車名の「アミ=Ami」はフランス語で「友達」の意味だが、シトロエンの見解によると由来は少々異なる。車名は、プロジェクトコードの「AM」、英語の「ミス=Miss」、イタリア語で「友達」を意味する「アミチ=amici」の音を合成したものだという。そしてイタリア出身のベルトーニの影響があったらしいとする。
シトロエンによると、アミ6の状態の良い中古車は5000ユーロ=約65万円以上の価格がつくという。
シトロエン アミ6 60周年…フランス語で友達じゃないの?
《高木啓》
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