矢野経済研究所は6月13日、国内の中古車流通市場の動向や参入企業動向、将来展望を発表した。
調査結果によると、2021年の国内の中古車小売台数は268万5000台だったと推計している。コロナ禍によるサプライチェーンの寸断で新車供給や新車販売の停滞に繋がったことから、高年式で低走行の中古車を中心に需要が拡大している。
ただ、新車販売の減少で下取車の発生も減り、タマ不足によって市場も停滞している。中古車販売事業者は小売向きな良質中古車の囲い込みを強化しており、中古車輸出業者との仕入れ競争も激化し、オートオークションの平均成約価格は上昇している。
また、確実な中古車両仕入策として共有在庫サービスの利用が活発化している。
中古車販売では中古車小売事業に本腰を入れる新車ディーラー、下取・買取を強化する大手中古車専業、買取った中古車を従来のオークションでの売却から小売にシフトを加速する大手中古車買取チェーン業者など、資本力のある事業者が存在感を増している。
新車供給や新車販売がコロナ禍前の水準へと回復する時期は不透明で、今後も需給のアンバランスが継続することで中古車相場の高止まりが予測されるとしている。