ヨコオは7月12日、Zenmov社と共同で、スマートフォンアプリで自動車の鍵を開閉するシステムと、予約や運用管理を行う車両管理システムを開発したと発表した。
ヨコオは、2019年7月にスマートフォンなどで鍵を制御する「IoT鍵制御システム」を開発。その後も実用化に向け開発を継続してきた。開発当初は、鍵制御機能のみをレンタカーやカーシェア事業者などにAPIで提供し、各社の予約システムに組み込んでもらう形を想定していたが、今回、予約や運用管理を行う車両管理システムをZenmov社と共同開発。トータルソリューションとして提供できるようになった。
今回開発したシステムは、スマートフォンアプリと車両に搭載するハードウエア、それらをクラウド上で連携する管理用WEBページの3点で構成する。利用者はスマートフォンアプリで車の予約状況を確認し、24時間365日いつでも予約可能。利用方法はアプリで解錠し、純正キーをグローブボックスから取り出すだけ。利用可能な状態であれば、予約と同時にすぐに車を利用できる。
車両管理側は鍵の受け渡しをすることなく、いつでも予約の受付と車両の貸し出しができ、管理する手間を削減。車両メンテナンスなどによる予約不可日なども管理者により設定できる。また、車両の利用時間や走行距離も管理ページで見える化できるので、車両整備のタイミングが把握しやすく、利用者ニーズに合わせた車両台数の増減も検討しやすくなる。
ヨコオでは、本システムの有効性を検証するために、2022年4月から6月にかけて、自社の社有車4台を用いた実証実験を実施。従来運用と比べ、利便性の向上や管理工数の削減を確認した。同社は本システムを、自社で専用のシステム開発をするのが難しい中小規模のレンタカー事業者やカーシェア事業者、企業の社用車管理などに提案していく。