オールマイティな性能、快適性を兼ね備える冬タイヤ『ハッカペリッタ R5』 | CAR CARE PLUS

オールマイティな性能、快適性を兼ね備える冬タイヤ『ハッカペリッタ R5』

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冬タイヤにフィンランドからの刺客『ノキアン ハッカペリッタ R5』登場
冬タイヤにフィンランドからの刺客『ノキアン ハッカペリッタ R5』登場 全 13 枚 拡大写真

氷雪上の絶対性能のレベルアップは著しく、毎年のように各社がニューモデルをリリースし高性能振りを誇っているスタッドレスタイヤ。そんな環境があるからこそユーザーの我々は、より高性能で安全性の高いスタッドレスタイヤを利用できるのだ。

そんな最先端のスタッドレスタイヤ開発競争の中で、注目すべきニューモデルが登場した。それがノキアンタイヤの「ハッカペリッタR5」だ。氷路で効きといったスタッドレスタイヤに求められる絶対性能の高さに加えて、アイスから圧雪路、シャーベットさらにはウエット、ドライまでの環境に対応するオールマイティな性能、さらにはノイズを抑えた高い快適性能や転がり抵抗を抑えたエコ性能も兼ね備えたモデルであることが、ハッカペリッタR5の大きなアドバンテージと言えるだろう。

そもそも、ノキアンタイヤは北欧フィンランドのタイヤメーカーだ。前身となる会社は1898年に創業されているという欧州でも老舗メーカーのひとつ。しかも1936年には世界で初めてのウインタータイヤとして「ハッカペリッタ」をリリース。氷雪路面への対応が求められていた北欧という地域特性もあり、いち早くウインタータイヤの開発に力を入れてきたのも同社の強みだ。

そんなノキアンタイヤが生み出した最新モデルがハッカペリッタR5だ。すでに先代モデルのR3でスタッドレスタイヤとしての高い評価を受けていたシリーズだが、R5へと進化して更にその高性能に磨きを掛けている。トレッドパターンを見ると小さなブロックを組み合わせたパターンが印象的。ブロックの数を増やす(従来モデル比40%増)ことでエッジ効果を引き出すのが狙い。またスタッドレスタイヤの性能を大きく左右するサイプの処理も見どころ。トレッド中央部分には細かいサイプを配置、対してトレッドの外側には粗めのサイプを施すという処理を実施。アイス路面での効きとタイヤの剛性感を同時に高める設計手法となっている。

さらにコンパウンドにはアークティックグリップクリスタルと呼ばれるミクロの結晶を配合。氷の路面をスパイクのようにひっかく性能を発揮するこの素材。ゴムに練り込まれているので摩耗しても常に同等の性能をキープするのも構造となっているのも魅力だ。

またR5のトレッドパターンの特徴のひとつにもなっている斜めに伸びるメイングルーブデザインは、排雪性や排水性を高めシャーベット路面やウエット路面での性能向上に役立っている。

そんな氷雪路での効きに加えてR5のもうひとつの魅力が快適性だ。開発で同社が注力したのは静粛性。ブロック配列(サイレントトレッドデザインと呼ばれる)を計算して各速度帯域でのノイズレベルを低減させている。スタッドレスタイヤで気になるケースがあるのがドライ路面での不快なノイズだが、R5はワンランク上の快適性を兼ね備えたのが大きな特徴となった。さらにスタッドレスタイヤではあまりクローズアップされてこなかった転がり抵抗もしっかりと低減させている。低燃費タイヤと同等の性能を備え環境にも優しいスタッドレスタイヤとなっている点でも注目のモデルだ。

ハッカペリッタR5にはファミリーと呼ぶモデルラインアップが整備されている。スタンダードモデルのR5に加えてSUV向けの「R5 SUV」、またEV向けの「R5 EV」の3モデルをラインアップ。R5 SUVは深めのトレッド溝で悪路性能をアップさせたり、アラミドを練り込んでサイドウォールの強化し、タフな走行にも耐える設計とした。一方のR5 EVは専用コンパウンドを採用しより転がり抵抗を低く抑えている。またタイヤ内部にスポンジを設置してタイヤ内の空気の流れを抑えて共鳴音を抑えているのも静粛性の高いEV対策だ。

発表会当日は同タイヤを北海道のテストコース/一般道でドライブ(車両はメルセデスベンツAクラス、トヨタ・ノア/ヴォクシー、アウディQ3)したモータージャーナリストの斎藤聡氏、岡本幸一郎氏が登場し試乗の際のフィーリングなど披露した。

氷雪路での操作利フィーリングで特筆すべき点としてあげられたのが“応答性の良さ”。ハンドルを切ったら切った分だけ曲がる、向きが変わりやすいというのが印象。回頭性の悪さからハンドルを大きく切って旋回するという操作が不要なのもこのタイヤの特徴。

圧雪路でのフィーリングも進化している。先代モデルのR3も雪を掴む感覚が強かったのだが、R5はさらに雪を踏みしめる確かなグリップを感じる走行フィーリングに進化しているという。

さらにR5 EVで一般道を走行した際には少しの道路の起伏にも反応してクルマが転がる感覚があるという。かなり転がり抵抗が低いエコタイヤと同等のフィーリングを試乗中に幾度も感じたという。

また高速道路を走っても静粛性が高く、スタッドレスタイヤを履いている感覚を忘れてしまうほどの快適性だったことも語られた。

このように、欧州生まれの高性能スタッドレスタイヤは、日本の冬の道路環境でも十二分な性能を発揮することがわかった。既存のスタッドレスタイヤには無い魅力をいくつも備えたノキアンタイヤの「ハッカペリッタR5」。これまでにもスタッドレスタイヤを経験してきたが、ウインタードライブをもっと快適にしたいというハイグレードなユーザーに受け入れられる高品質なモデルとなりそうだ。

冬タイヤにフィンランドからの刺客『ノキアン ハッカペリッタ R5』登場

《土田康弘》

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