車のセンターコンソールがナビ画面からタブレット、スマホ、ディスプレイオーディオに切り替わる動きがある。ここで重要になるのが通信モジュール(DCM)やモバイルルータなどネットワークへの接続環境だ。これは、アウトドア、いやアウトドアこそ欠かせない。
自然に親しむアウトドアやキャンプにスマホを持ち込むなというのは一理どころか百理くらいある。が、その一方で災害時の連絡、気象情報の取得など緊急時の命綱でもある。そこまで深刻な状況でなくとも、気軽に楽しむキャンプや車中泊では、盛り上がりをSNSに投稿したり、YouTubeやNetflixで映画やドラマを楽しんだり、アウトドアでもあればつながるに越したことはない。最近ではワーケーションのような取り組み、休暇の間を利用したリモート会議など、柔軟な働き方にも、ネット環境は不可欠だ。
海や山でネット接続する場合、基本的には携帯電話会社のモバイルネットワークを利用することになる。国内であればドコモ、au、ソフトバンク、楽天といったところが主な通信事業者となり、各社のSIMを使ったスマートフォン、モバイルルータを利用することになる。メーカーのコネクテッドサービスも、前記のどれかの会社の回線を利用している。
山奥や人里から離れると電波が入りにくくなる。近年はカバーエリアの差はなくなってきたが、SIMの契約事業者によって入る場所、入らない場所の違いある。自分の携帯だけ圏外になって悲しい思いをしたことは誰もが経験しているはずだ。
最近では「クラウドWiFi」などと呼ばれるサービスが注目されている。MVNO(主要通信事業者の回線をまとめて契約してユーザーに格安でサービス提供する会社)によるモバイルルータ・ポケットWi-Fiのサービスだが、本体に特定事業者のSIM情報(契約者の電話番号情報などが書かれている)が入っておらず、どの会社の電波でもつながるものを優先させるという特徴がある。
特定事業者のSIMに制限されないので、どこかの事業者の回線トラブルが発生しても接続が確保される可能性があるのもアウトドア向きかもしれない。そんなわけで、アウトドア関係のイベントである「アソモビ2022」にクラウドWiFiの事業者が出展していた。クリエイトグループが展開する「BYZE」というサービスは、月額5000円で150GBまでの通信が可能なポケットWi-Fiだ。対応する通信事業者はドコモ、au、ソフトバンクの3社。通信規格は4G。
クラウドWiFiで月額5000円は決して安いほうではないが、スマホの契約を最低価格のプランにしてデータ通信を原則ポケットルータ経由にすればトータルの通信費を下げることができるかもしれない。