メンテナンスの最重要項目のひとつであるオイル交換は気にしていてもオイルエレメントの交換はノーマークという読者もいるのでは? 今回はオイル管理大切なエレメント交換について紹介した。
そもそもオイルエレメントとはなんだろう? オイルエレメントはオイルフィルターとも呼ばれることがあるとおり、オイルを“ろ過”(フィルタリング)しているパーツだ。オイルライン(エンジンオイルの流路)の途中に装着されていて、エンジン内を流れるエンジンオイルの汚れを濾し取って、常にクリーンなオイルをエンジン内に循環させる大切なパーツなのだ。
オイルはエンジン内で徐々に劣化して汚れていく。エンジン内のスラッジなどの汚れが少しずつオイルに混入していくのも汚れの原因の一つになっている。オイル交換をDIYしたり間近に見たことがある読者ならわかると思われるが、新品オイルがきれいで透明度があるのに対して交換時にエンジンから出てきた廃オイルは透明度ゼロで、しっかりオイルが汚れているのがわかる。この汚れがエンジンの性能を低下させるのだ。さらに汚れが激しくなるとエンジンのトラブルにもつながるのでエンジンオイルの管理は重要だ。
しかし、オイルが汚れるのは実はエンジンの健康状態の維持には重要なことなのだ。オイルが汚れる=エンジン内の汚れをオイルに取り込んでいることを指す。つまりエンジン内を傷めるのをオイルが汚れたままでエンジン内を流れることを防いでいるのだ。いくつかあるオイルの機能の中で「清浄分散作用」と呼ばれるエンジン内をきれいに保つ機能があるが、エンジンの状態をキープするには非常に非常に重要な機能なのだ。劣化したオイルを使い続けるとエンジン内にスラッジがたまり、エンジンの機能を損なっていくので要注意だ。
このようにエンジンオイルはエンジン内の環境を整えるのに重要な役割をになっているのがわかった。それに加えてもうひとつの重要アイテムがオイルエレメント(オイルフィルター)なのだ。オイルの中に取り込まれた汚れをオイルエレメントがろ過してオイルを常にクリーンな状態にしてエンジン内を循環させる働きを持っているのだ。
オイルエレメントの内部にはろ過紙が入っていて、ここをエンジンオイルが通過する際に汚れが濾し取られる。エンジンオイルには先に紹介した清浄分散作用と呼ばれる働きがある。中でも分散作用はスラッジなどの汚れた物質をオイルの中に取り込んで、エンジン内に止まらせない作用のこと。そのためオイルの中には取り込んだスラッジがたくさん含んでいるのだ。そのままエンジン内を循環させるとスラッジまみれのオイルが再びエンジン内に戻ってしまうので、オイルエレメントである程度フィルターするのが仕組み。
先にも紹介した通りオイルエレメントはオイルラインの流路に設置されている。エンジンが動いている間は常にオイルが循環しているので、オイルエレメントも必ず通過する。その際に汚れを濾し取っていくのだ。しかしオイルエレメントは、内部にろ過紙を持つ構造なので、ある一定の汚れを取ると性能が劣化してしまう。最悪の場合はろ過紙が目詰まりを起こしてしまい、フィルターの役目を果たさなくなることになるのだ。
それを防ぐために必要なのが定期的なオイルエレメントの交換だ。一般的にはオイル交換2回に1回の割合でオイルエレメントを交換するとされている。気になるユーザーはオイル交換ごとにエレメント交換を実施しても良いだろう。オイルラインの途中にオイルエレメントはあるのでオイルエレメントの交換はオイル交換と同時に行うことになる。オイルエレメントには純正品の他にリーズナブルな社外品もあるので好みのパーツを選んで交換すると良いだろう。オイル交換に加えてオイルエレメントの管理にも注目して、エンジン内のオイル環境を整えて、エンジン性能を常にキープすることを心がけよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
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