クルマ生活に関連する「社会・経済」ネタを横断的に掘り下げている当コーナー。今回は、2022年の値上がり状況を振り返る。クルマ関連でもいろいろなものが高くなった。さて、何がどう上がったのかと言うと……。
まずは、「ガソリン価格」が高騰した。ただしこれについては以前の記事でも触れたとおり、政府が実施している「燃料油価格激変緩和補助金」により、一定ラインからの価格上昇は抑えられている。現在の当施策ではレギュラーガソリン価格を168円(税込)に維持することが目指されていて、それを超えないように石油元売事業者や輸入業者に価格抑制の原資が支給されている。
なお最新の情報によると、11月21日のレギュラーガソリンの全国平均価格は167.6円で、当施策が発動されていなかった場合と比べて32.7円価格を抑制できたとのことだ。
ちなみに当施策の実施は年内一杯とされていて、この記事を書いている段階(11月24日現在)ではまだ実施時期の延長は発表されていない。しかしながら原油価格は今もある程度の高値をキープし続けている。今現在の「WTI原油先物」の価格は、ウクライナ危機が始まる直前の頃と同水準の1バレルあたり70ドル台の後半だ。この水準が続くなら、補助金がなくなればガソリン価格は170円を大きく上回る。さて、補助金は延長されるのか、それとも終了しガソリン価格が高騰するのか……。
続いては、ガソリン価格以外の値上がり状況を振り返ろう。まずはタイヤが値上がりした。例えば「ブリヂストン」からは、今年の1月14日付けで値上げが発表された。値上げの理由は概ね以下のとおりだ。「天然ゴム等のタイヤ原材料の高騰に対して生産性向上等対策を打ってきたものの、企業努力のみでこれを吸収するのが困難となったため」とのことだ。なおもっとも値上げ率が高かったのは「鉱山・建設車両用タイヤ(夏/冬)」の10%で、それ以外も7~8%価格が上がった。値上げは4月1日より実施された。
それ以外でも、「住友ゴム」が春にすべての製品で約10%値上げし、さらに9月1日から国内市販用タイヤおよび関連商品の価格を2~8%上げている。「横浜ゴム」も4月1日より順次最大9%の値上げを行ったが、10月1日からは再び最大8%の値上げが実施されている。
またバッテリーの価格も上がった。例えば「古河電池」は昨年の11月15日に「市販向け自動車用鉛蓄電池の価格改定について」と題したニュースリリースを出し、今年の2月1日からの値上げを告知していた。そして11月1日出荷分からは、さらに15%以上の値上げが成された。
エンジンオイルでも値上げが見られた。公式にニュースリリースでは発表されてはいないものの、年初に発行された新カタログにて多くの製品が概ね1割程度値上がりしていたブランドもあった。
さて、値上げ傾向はまだしばらくは続きそうな雲行きだ。続報が出揃えば、また改めてお伝えしたい。