カギはやはり、航続距離?! 「輸入車電動車スタイルフェア」で販売員に訊いた。電気自動車、売ってみての感触は? | CAR CARE PLUS

カギはやはり、航続距離?! 「輸入車電動車スタイルフェア」で販売員に訊いた。電気自動車、売ってみての感触は?

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「輸入車電動車スタイルフェア」の会場
「輸入車電動車スタイルフェア」の会場 全 8 枚 拡大写真

12月10、11日、名古屋市中小企業振興会館(吹上ホール)で行われた「輸入車電動車スタイルフェア」、海外の電気自動車(EV)が集結するということで、完全匿名を条件に各ディーラーの販売員に取材を慣行!

ユーザーとやりとりすることで、最も生の声を知る販売員は、電気自動車の未来をどう感じているのか。それぞれの思いを伝える。

◆「自宅充電が普及のカギ」

名古屋市を含めた東海圏はマンションといった集合住宅よりも、一軒家に住まわれる方が多い印象を受けます。自宅充電を導入しやすく、それも購入の後押しになる。電気自動車は、やはり自宅充電ができるかが肝になります。その点、地域によってガソリン車or電気自動車という需要が変わる気がします。

現時点で電気自動車の購入を具体的に検討する方は経済的に余裕のある人が多い。それを理解した上でも、電気自動車はこれから普及する、普及せざるを得ないと思いますよ。最初は個人向け携帯電話、やがてスマートフォンが世に出ても、最初は「それって必要?」という声もあったと思いますが、今ではみんな持つようになっています。

ですが、正直に話すと現場もまだまだわからないことがあるのが本音。販売後は…、メンテナンスは…といったことを理解するには、現場もユーザーも、どうしても時間が必要でしょう。

◆「電気自動車特有の加速感はクセになる」

電気自動車のモーターの加速感はガソリン車と違う味付けでクセになります。長くクルマを作り続けてきた自動車メーカーの電気自動車という点で、従来の自動車メーカーは新しく参入する電気自動車メーカーに対抗しないといけません。電気自動車の心臓部はモーター。今後、特にスポーツモデルを打ち出している場合、走りの部分でどう差別化をするのか。

各メーカーの電気自動車がある程度、充実してきたら、これからはそこもユーザーが選ぶ基準になるでしょう。

◆「電気自動車にネガティブだった人ほど、納車後の反応が良い」

ウチのケースでは、電気自動車のモデルを、あくまで今までのブランドラインナップに加わった1つのモデルとして見てくれているユーザーが多い。「電気自動車だから特別」ではなく、「このメーカーの新車だから乗りたい」、そう思ってもらえています。

今まで納車された方は「想像以上に良いね」という声をいただいています。もともと電気自動車にネガティブなイメージを持っていた方ほど、実は納車後のリアクションが良いという現象が起きています。

◆「まずは航続距離の向上が課題」

充電設備の充実といった社会的な外的要因は、1メーカーの力ではなかなか変えられません。メーカーとしては、まずフル充電時の航続距離を伸ばすといった企業努力が求められます。

メーカーとして注目度が高いことは実感しています。メーカーも販売、メカニックのことなど、ユーザー満足度を高めていかないといけません。

◆「電気自動車への期待感はメーカーも、お客様も、大きいと実感」

お陰様で興味をもってもらっている手応えがあります。ただ、すぐ購入するというより「電気自動車って、どういうものなの?」という手探りのユーザーが多数派です。

ユーザーの懸念は航続距離。従来のようにガソリン車で遠出する時は、「何kmまで走れるかな?」というのは気あまりにしませんよね。航続距離の問題が解消できたら、電気自動車がスタンダードになる気がします。

もちろんガソリン車はガソリン車で生き残ると思います。「自分はやっぱり、このクルマが好き」とガソリン車に乗り続ける人はいるはずです。私も生き残ってほしいと思います(笑)。ただ、どちらが多数派になるかとなれば、電気自動車ではないでしょうか。

販売店に対しても、本国メーカーからの教育がしっかりしていて、その点は購入される方も安心してもらえたらと感じています。

こんなにも教育が手厚いのだなと。それは、メーカーとしても日本国内での需要、電気自動車への期待の表れでしょう。

このように、各メーカー、課題はあるものの、概ねポジティブな声が聞こえてくる結果となったインタビュー。来場者は、すでに電気自動車を利用している、検討しているという人もいる一方で、「電気自動車は次々回の買い替えか、それとも次の買い替えタイミングかになると思います。遅かれ早かれ、乗ることになる。」と話してくれた来場者もいたように、「今すぐ」ではなく、将来的に購入の選択肢に入るとすでに考えているユーザーは多い。航続距離、充電のしやすさ。この2点さえクリアすれば一気に浸透しそうなユーザーの期待感を、イベント会場で感じた。

《南部武寛》

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