寒いと速くなる!? 冬場にチューニングカーがタイムアタックする理由 | CAR CARE PLUS

寒いと速くなる!? 冬場にチューニングカーがタイムアタックする理由

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寒いと速くなる!?冬場にチューニングカーがタイムアタックする理由~カスタムHOW TO~
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レースも野球も冬場はシーズンオフだが、チューニングカーのタイムアタックは真冬こそシーズン!雪を使ったウインタースポーツではないが、真冬がメインになるのはタイムが出せる環境になるからなのだ。

◆寒ければ寒いほど本領発揮!
性能の限界値は冬場こそ計測できる

F1もスーパーGTも春に開幕して秋に閉幕する。対するチューニングカーが筑波サーキットで何秒出たとか、鈴鹿サーキットでベストタイムを更新したという「タイムアタック」という世界では寒い時期がメインとなる。なぜ同じクルマを走らせる競技なのに真逆なのか。それは寒いほうが単純にタイムが出るから。

気温が低いほど空気は密度が高くなる。同じ排気量でも密度の高い空気がエンジンに吸い込まれるようになるので、たくさんの酸素が入る。それに合わせてたくさん燃料を噴射することができ、結果として強い爆発力を生むことができる。

とくにターボ車ではその影響を受けやすく、気温で10%くらいのパワーの上下は当たり前。そうなるとサーキットのタイムでも秒単位で変わってきてしまうのだ。真夏に300psのクルマは330psくらいになるし、1000ps級のハイパワーチューニングカーだったら真冬には1100psも可能になる。そうなればストレートスピードは明らかに変わってきてしまうのだ。

ではレースはなぜ冬にやらないのか。そういうものといえば、そうなのだが、レースは競い合いなので条件が同じなら良いとも言える。そのため真夏でもお互いにクルマが遅くなる分には問題ないわけである。

また、スーパーGTやスーパー耐久シリーズなどは3時間以上走ることも多く、耐久レースという面もある。そうなるとエンジンに対する負荷が大きい真夏のほうがトラブルも起きやすく、より熱対策は大変になる。そういう意味でもドラマチックな展開になりやすいし、なんといっても集客が望めるのは暖かい時期というところも大きい。

というわけで、パワーが出しやすいのでチューニングカーは真冬に走らせることが多い。さらに熱対策が少なくて良いのも利点。冬場の1周のみのタイムアタックだったらオイルクーラーは付けなくても大丈夫とか、ラジエーターも数周持つ仕様と、何時間も連続で走れる仕様となると大きく異なる。

ほかにもハイパワー車で耐久レースをしようとするとミッションオイルクーラー、デフオイルクーラーも必要になる。これらはどちらもキット品がほとんどないので部品を使って作ることになる。そういった工賃を考えると最低でもそれぞれ20万円~30万円ほどのコストが掛かってしまう。それらも冬場のタイムアタックなら無くても大丈夫なのだ。

その代わり、タイヤが温まりにくいという問題が起きる。そこで本格的なタイムアタックマシンではタイヤウォーマーと呼ばれる電気式のヒーターでタイヤを温める。タイヤ専用電気毛布のようなもので、タイヤ自体を60度とか70度とかそういう温度まで温めてしまうのだ。F1では夏場のレースだがコースイン直後から全開で走れるようにタイヤウォーマーでガンガンタイヤを温めている。スーパーGTやスーパー耐久などのレースではタイヤウォーマーが禁止されているので使用できない。コースインから2周くらいはタイヤが温まらずベースが上げられないのだ。

チューニングカーの世界では本格的なタイヤウォーマーを導入するコスト(軽く数十万円)が厳しいというクルマでは、ジェットヒーターの温風を小型のハウス型の部屋に送り込んでそこでタイヤを温める簡易ウォーマーを使うこともある。

◆普通のクルマでも冬場はパワーアップする

では冬場にはわれわれにもなにか恩恵があるのか、それがある!! 冬場は一般的な普通のクルマでも冷えた空気を吸うことができるのでパワーアップする。気が付かないレベルかもしれないが確実にパワーは出るようになっている。

同じように夏場でも冬場でも、お昼頃と夜だったら、気温の下がる夜のほうが加速力は向上しているのだ。わずかな違いかもしれないが、確実にその効果は現れている。

チューニングでエアクリーナーボックスを変えて、外気をダイレクトに導入するようなものは、そういった吸い込む空気の温度を下げる狙いが大きい。

そういったチューニングをすればより、気温による出力の差が感じやすくなる。そういった意味で吸気チューンをするとエンジンパワーが外気温に敏感に反応するようになるので、1年中街乗りでもいつでもそのパワー感の差などを感じて走ることができるのだ。

寒いと速くなる!?冬場にチューニングカーがタイムアタックする理由~カスタムHOW TO~

《加茂新》

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