タスキを繋いで富士スピードウェイに挑む!「eSportsの箱根駅伝」は中央大学に栄冠 | CAR CARE PLUS

タスキを繋いで富士スピードウェイに挑む!「eSportsの箱根駅伝」は中央大学に栄冠

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Gran Turismo College League 2022 決勝大会
Gran Turismo College League 2022 決勝大会 全 24 枚 拡大写真

12月18日、東京都のポリフォニーデジタル東京スタジオ(東京都江東区)にて、大学自動車部によるeSports大会、「Gran Turismo College League 2022(GTCL)」が開催された。予選大会を突破した10校に、特別招待枠のスタンフォード大学を合わせた11校が、最速の座を争った。

◆アカデミックな側面もある「eSportsの箱根駅伝」

GTCLはプレイステーション4・5で遊べるゲームソフト、「グランツーリスモ7」を用いて、大学の体育会である自動車部がレースを行うeSportsの大会だ。「eSports界の箱根駅伝」を謳う同大会は、3人を1チームとし、マシンをタスキのように繋いでゴールを目指すのが特徴だ。

2020年度に「GT Young Challenge」としてスタートした大会は、今年で3年目を迎える。単なるeSports大会にとどまらず、よりグローバルに展開していきたいとの想いを込めて、大会の名称も変更された。その一環として、決勝レース前にグランツーリスモのプロデューサーである山内一典氏、ソニーAIで人工知能の研究に携わる河本献太氏、そしてスタンフォード大学で自動運転の研究をするクリス・ゲルデス氏の3名によるパネルディスカッションが行われた。

パネルディスカッションでは、まずゲルデス氏により、研究室が製作した自動運転でドリフト走行を行う『デロリアン』をはじめ、世界最高峰の自動運転研究の成果が紹介された。続いて河本氏が、研究中のAI「グランツーリスモ・ソフィー」を題材に、強化学習型の開発モデルについて解説。参加した学生の関心も高いトピックということで、予定時間を過ぎても質疑応答が続けられた。

◆接戦に次ぐ接戦、逃げ切った中大が見せた王者の風格

休憩を挟み、いよいよ全11台が出走する決勝レースとなる。午前に行われた予選でポールポジションを獲得したのは、関西勢唯一の決勝進出となった立命館大学。グランツーリスモ世界チャンピオンである宮園拓真選手と特訓したという立命館が、成果を発揮した格好だ。大会3連覇を狙う中央大学自動車部は2番手からスタート。以下、立教大学、静岡大学、慶應義塾大学というトップ5。

14時30分、20周に渡る決戦の火蓋が切って落とされる。コースは富士スピードウェイ、マシンはスーパーフォーミュラで用いられるレーシングカー「SF19」のワンメイク。ドライビングが難しい車両を制御する技術はもちろん、3名の選手がどのタイミングで交代し、どのタイミングでタイヤを交換するかといった戦略的な要素も重要になる。

レース開始直後、2番手スタートの中央大学が一気にトップへ躍り出る。ポールスタートの立命館はさらに後方の慶應義塾に迫られつつも、なんとか2番手を死守した。後方では最後尾11番手スタートの法政大学が5番手までジャンプアップ。逃げる中央に対し、混戦状態の中団グループという形でレースは進行する。

その後のレースは毎周回ごとにコースのどこかでサイド・バイ・サイドの勝負が行われる熱い展開に。18周目には名城大学、早稲田大学、静岡大学による3ワイドのバトルが生まれ、ギャラリーを大いに沸かせた。しかしながら、どの大学も中央大学の牙城を崩すには至らず。先行逃げ切りを決めた中央大学がレースを終始支配し、見事大会3連覇を達成した。2番手には関西勢の意地を示した立命館、3番手には慶應義塾大学となっている。

●レース結果

優勝:中央大学
準優勝:立命館大学
3位:慶應義塾大学
4位:静岡大学
5位:早稲田大学
6位:立教大学
7位:名城大学
8位:駒澤大学
9位:法政大学
10位:東京農業大学
11位:スタンフォード大学

《中野 龍太》

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