ZFは1月5日、米国ラスベガスで開幕したCES 2023において、EV用のヒーター付きシートベルト「ヒートベルト」を初公開した。
この技術は、シートヒーターなど他の接触式のヒーターと組み合わせることで、暖房に必要なエネルギーを削減する。寒冷時には、EVの航続を最大15%拡大させる効果があるという。
ZFのヒートベルトは、厚さを最小限にする統合型発熱体を使用した特殊なウェビングをベースにしている。自動車メーカーは容易に車内に組み込むことができ、乗員は通常のシートベルトと同じ快適性が得られる。ヒートベルトは、乗員が均一で体温に近い温かさを感じられるよう設計されている。
この統合ヒーティング機能により、ZFのヒートベルトは、運転開始直後から、36~40度の体温に近い暖かさを実現する。ヒートベルトは、シートヒーターとの組み合わせで、快適な車内環境をすばやく整える。EVが車内を暖めるために使用するバッテリー電流の量を減らし、接触型ヒーターを使用して航続を最大15%伸ばし、従来の空調システムの使用量を削減することが可能になる。
ZFは特殊なテキスタイル加工方法により、発熱体のシートベルト構造への織り込みを実現した。電熱回路の接触要素は、ベルト操作や巻き取りを妨げないように配置されているため、他の取り付け位置での特殊なベルトリトラクターは不要。ヒートベルトは、乗員保護においても従来のシートベルトと変わらない、としている。