クルマの長期保有化が進むいま、ボディ保護を目的とした「ペイントプロテクションフィルム(PPF)」施工が注目を集めている。PPFは、0.15mm~0.20mmほどの厚みがあり、柔らかく伸縮性が高い特殊なポリウレタンフィルムで、飛び石被害を受けやすいボンネットをはじめ、ドアカップやサイドミラー、サイドエッジ、ステップ、トランク周りなど、キズが付きやすいところに部分的に施工できる。
無色透明タイプを選ぶユーザーが多い傾向だが、白や黒、赤、黄色、カーボン調のPPFもあり、ボディ保護だけでなくドレスアップ用途としてもニーズがある。フィルムが傷んだり、色を変えたいときは、施工店に依頼してフィルムを剥がせる点も大きな特徴だ。
紫外線の強さで色が変わるPPF
PPFは、世界各国で開発された様々なブランドがあり、平滑性や防汚、自己修復など、機能性はさまざまだ。3月7日~9日に東京ビッグサイトで開催された、自動車アフターマーケットの国際展示会『第20回 国際オートアフターマーケットEXPO 2023(IAAE 2023)』に出展していた、中国企業 Guangdong AEP Technology Co., Ltd.のブースでは、太陽光に含まれる紫外線でカラーチェンジするPPFが展示されていた。
通訳者を交えて話を聞いたところ、キズや汚れなどのダメージから保護する目的で開発された熱可塑性のポリウレタンフィルムで、耐摩耗性かつ耐油性に優れ、自己修復機能があるほか、熱や雨、雪などの気象条件にも耐える性能があり、耐久期間は5年ほどだという。
最大の特徴は、フィルムが紫外線を吸収し、紫外線の強さに応じて自動的に色が変わる点。透明な状態から黒または紫に変わる2タイプがあり、夜間や雨天、紫外線が少ない環境だと、自動的に透明になるという。ボディ保護とドレスアップ目的で、中国をはじめ、アメリカやロシアでも販売展開中とのこと。またブースでは、ヘッドライトの保護フィルムも展示されていた。ユニークなPPFのひとつとして、今後、日本のマーケットにも登場してくる可能性があるかもしれない。