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自分に合った「シート交換」で、クルマはもっと快適になる

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体型不問! 自分に合ったシート交換でクルマはもっと快適に~カスタムHOW TO~
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体型は千差万別。純正シートは最大公約数的な設計なので、誰しもにベストとは限らない。そこでシートを交換してポジションも合わせ込めば、もっとクルマは乗りやすくなる。

◆純正シートはあくまで“平均”で考えられている

シートはカラダを支えてホールドする重要なパーツ。しかし、シート交換というとサーキット用車両のバケットシートに変えるようなイメージも強い。もちろんそれもひとつの方法だが、それだけではない。重要なのはそれぞれの体型と姿勢に合わせること。

純正シートは身長150cmの人から180cmの人まで、痩せている人も太り気味の人も多くの人が乗れるようにしなければならない。そうなると多くの人に60点という形状や高さなどにせざるを得ない。そこはサスペンションと同じ考えになる。サスペンションもフル乗車で荷物を満載で砂利道も走れなければならないので、おのずと車高は高くなるし、乗り心地もソフトになる。しかし、一人乗りメインで高速道路をターゲットにするなら、もっと引き締めたほうがフラフラしなくて乗りやすい。それと同様に、シートも乗る人のターゲットを絞って、用途を決めていけばもっと使いやすくなる。ノーマルが一番ではないのだ。

そこで重要になってくるのがまずどの程度のホールド性が欲しいか。サーキットをメインにするならバケットシートの一択。バケットシートにもリクライニングしないフルバケットシートと、リクライニングできるセミバケットシートがある。この2つの差はホールド製と剛性感の違い。太もも横のサポートはセミバケットシートでも大きなサポートがあるモデルでは変わらないが、違いが出るのは腰の横。セミバケットシートはどうしても角度を変えるために腰から太ももに掛けて背もたれと座面の間にスペースがある。そこがなければ角度が変えられないからだ。

対するフルバケットシートは腰のサイドもすべてサポートがある。この違いが大きく、強いGが掛かったときの腰のホールドが変わってくる。また、フルバケットシートは背もたれの角度だけを変えられないので、シートごと寝かせるか起こすかになる。座面と背もたれの角度はモデルごとに違うので、起き気味のシートもあれば寝ているシートもある。購入時にそこの角度がどんな設計になっているかを吟味して選びたい。これはどちらが良いというわけではなく、個人の好みによる。

サーキットを走るわけではなくてもセミバケットシートを選ぶ手もある。ある程度サイドサポートが高い方がカラダを支えてくれるので疲れにくくなる。これも度合いによるが、結構サイドサポートが高めでも疲れない人はセミバケットシートでもアリ。サイドサポートがあまり深いと気になるというのであれば、リクライニングシート系のモデルを選ぶことになる。ミニバンなど乗り降りのときに座面のサイドサポートが気になる車種では、座面のサイドサポートだけが低いシートもあるので、それをチョイスするのもありだ。BRIDEのZAOUシリーズはトラックなども想定したモデルで、乗り降りしやすいように座面のサポートは低いが、背もたれはセミバケットシート並みのサイドサポートでカラダを支えてくれるようになっている。

◆取り付けにもプロの技がある
どこで付けても同じではない

シートカスタム時に気をつけたいのは取付作業。シートは基本的にネジを4本外せば外れるので、DIYで交換する人も多い。しかし、プロにはプロの技がある。意外とガタが多いものなので、取り付ける向きや角度などもどちらに寄せながら締めていくかだけでも、結構変わるもの。ハンドルセンターとシートがズレているときも位置と角度を合わせていくと、気にならない範囲まで調整できたりする。ときには角度調整にワッシャーを入れたり、ボルトごと交換したりもする。

取り付けボルトも重要。ノーマルだと取り外ししにくいように星型のトルクスネジが使われていることが多い。これを回しにくいからとホームセンターで適当なボルトに変えてしまう人もいるが大変危険。シートは事故の際に大きな力が掛かるので、きちんと対応した強さをもったボルトにしないと命の危険をもたらす。

また、近年はシートベルト付け忘れのアラートの配線と、シートのエアバッグの配線がされていて、それぞれ対応しなければチェックランプが点灯してしまう。チェックランプ点灯は現在車検にも通らないので、必ずきちんとした対応が必要。そういった面も考えるとシート交換もプロショップや量販店にお願いしたい。どんなシートが自分に合っているのか、プロとよくディスカッションした上でモデルを選び、プロの取り付けで楽しんでもらいたい。

体型不問! 自分に合ったシート交換でクルマはもっと快適に~カスタムHOW TO~

《加茂新》

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