クルマを「長持ち」させるためのメーター監視法 | CAR CARE PLUS

クルマを「長持ち」させるためのメーター監視法

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油温やアクセルを無視するな! 車を長持ちさせるためのメーター監視法~カスタムHOW TO~
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「チューニングカーに欠かせないのは追加メーター」と言われていたのは昔。現代ではそれほどシビアになる必要もないが、それでも見ておいて損はない数値もある

◆水温、油温、油圧が追加メーターのBIG3

クルマの健康状態を把握するのにメーターは欠かせない。ノーマルでも水温計はだいたい装着されているが、なんとなく針が動く程度のクルマが多かった。最近はマルチディスプレイが普及したこともあって、水温が数字で表示されるクルマも増えてきた。エンジンオイルの温度である油温や、その油圧もとても重要な数値だが、それらが表示されるのは一部のスポーツカーくらい。ノーマルで表示されるクルマは少ない。しかし、チューニングカーとなるとそれらの数値は確認しておきたい。

NA車でのECU書き換えチューンでもパワーアップできるし、ターボ車ではそれによってブースト圧をアップさせることが多い。そうなると数十馬力単位でパワーアップが可能になる。それだけパワーが高まると発生する熱量が増え、水温や油温が高くなりやすい。水温や油温の高さは、一度高い温度になったから即壊れるわけではない。でも、少しずつ疲労が蓄積するようにダメージを与えることもある。油温が高くなりすぎるとオイルが劣化して、それによってエンジン内部を傷めてしまうこともある。

また、油温が実際に何度か把握できれば、適切なオイル粘度の選定にもつながる。ハイパワー車だからとか、サーキットを走るから硬い粘度のオイルを選ぶ人もいるがそれは微妙。実際に油温が高くなっているなら、それに対応した高温側の粘度が高いオイルを使うべき。しかし、油温が100~110度くらいならその車種指定の粘度で十分。むしろ硬すぎる粘度はエンジンヘッドに送られたオイルが、オイルパンに戻ってくるのが遅くなり、それによってオイルポンプが空吸いをしてしまってオイルが圧送されず油膜切れを起こしてしまうこともある。抵抗が増えるので燃費も悪くなるし、加速性能もスポイルされてしまう。逆にサーキット走行時に油温が130度くらいになるなら、少し硬めの粘度のオイルを使って高温時にエンジンを保護しておきたい。そういった判断をするのにメーターでの温度把握は必須なのだ。

そして、もうひとつ重要なのが油圧。エンジンオイルが圧送される圧力で、これが低くなるとエンジン内部をまんべんなく潤滑できなくなり、油膜切れの原因にになる。油圧が高ければいいわけではないが、安定していることは重要。サーキット走行時には上記のように硬すぎるオイルで、オイルパンにリターンが遅くオイルポンプがオイルを吸えなくなってしまうことがある。そういった場合はオイル量を増やすとか、オイルの粘度を下げる、オイルパンにバッフルを入れるなどの対策が必要になる。

車種によっては右コーナーだけ油圧が下がるとか固有の症状があるので、その発生箇所を検証し対策するにも油圧メーターでモニターするのは必須なのだ。できればワーニング機能付きで、油圧が下がったときにピーピー鳴るようにしておきたい。水温計など温度が上がりすぎたときにワーニング音がなることもあるが、油圧計の場合は下がりすぎたときに音が鳴る設定ができるモデルがオススメだ。

◆吸気温度が見られると意外な変化を楽しめる

ではどんなメーターをつけたらいいのか。まずオススメはOBDコネクタに差すタイプのモデル。故障診断コネクターのOBDにはさまざまな情報が来ていて、車種によっては100種類を超えるような情報を得ることができる。そこではほとんどの車種で水温、電圧、速度、スロットル開度などが見られる。日常から見て楽しめるのは吸気温度だ。エンジンに吸い込まれる空気の温度で基本的に低ければ低いほうがパワーが出る。

渋滞にハマって炎天下で停止していると50度にも60度にもなり、加速してもいまいちパンチに欠ける。逆に冬場に気温が下がって、吸気温度が3度や4度になるとエンジンはメキメキと元気になり、鋭い加速が感じられる。とくに最近のエンジンは吸気温度にシビアに反応するようになっている。ちょっとしたフィーリングの差を感じながらのドライブも楽しめるものなのだ。

問題となるのは多くのクルマで油温と油圧はOBDコネクターにも信号が来ていないこと。オイルフィルター部にサンドイッチブロックを取り付けて、そこに温度センサーと圧力センサーを追加。配線を室内に持ってきてメーターに表示させるのが一般的だ。ひと手間掛かるが安心感は格段にアップさせることができる。

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《加茂新》

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