迫りくるバッテリー死! 緊急時に頼れる自己救済術 | CAR CARE PLUS

迫りくるバッテリー死! 緊急時に頼れる自己救済術

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迫りくるバッテリー死!緊急時に頼れる自己救済術~Weeklyメンテナンス~
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JAFの救援件数では常に上位を占めているバッテリーの過放電、いわゆるバッテリー上がり。ドライブ先で立ち往生してしまうバッテリートラブルにDIYで対処する方法を考えてみた。

エンジンを始動する場合にはセルモーターを回転させる必要があり、一時的に大きな電力が必要になる。しかしうっかりライトを付けっぱなしにしてエンジンを一定時間以上止めていたり、停車中に車内で電気を使った場合などにバッテリー上がりが起こる可能性が高まる。バッテリーの電力が一定以下に減ってしまうとエンジンをスタートさせるパワーが残っていないため、始動が困難になってしまうのだ。セルモーターを回すとキュルッと弱々しくわずかに回るが、エンジンが始動する気配が無い。または、キーをひねっても、まったく反応が無くなった、そんなピンチに陥った場合に考えられるのはJAFや自動車保険に付帯するロードサービスに救援を依頼することだろう。しかしロードサービスによる救援は場所や時間によってすぐに駆けつけられるわけでは無く、ケースバイケースで時間が掛かってしまうこともあるのだ。

そこで、万が一のバッテリー上がりに備えて、DIYでエンジンを再始動できる準備を整えておくと良いだろう。もっとも手軽な方法はブースターケーブルと呼ばれる、バッテリーとバッテリーを接続するためのケーブルを用意しておくこと。バッテリーが上がったクルマのバッテリーと正常なクルマのバッテリーをブースターケーブルを使って接続して、バッテリーが上がったクルマに電気を供給してエンジンをスタートさせるという方法だ。その時、用意するケーブルに注意したい。実はブースターケーブルには流せる電流量が決まっている。愛車の始動時に必要な電流量を見定めて、なるべく電流量の高いものを準備すると良いだろう。一般的にはケーブルが太いほど多くの電流が流せるので参考にしてみよう。

ただし、この救援方法には救援を手伝ってくれる正常なクルマが必要になるのがハードル。仲間のクルマと一緒にドライブしていれば問題ないのだが、1台でドライブしているときにバッテリー上げてしまうと、見ず知らずの他人にブースターケーブルの接続をお願いしてバッテリーの救援を求めるのはハードルが高いだろう。

そこで、次に考えられる方法がポータブル電源タイプのジャンプスターターの用意だ。近年はポータブルバッテリーの性能がアップして、小さなバッテリーでもエンジンの始動ができるモデルが用意されているのだ。見たことが無い読者もいるだろうが、イメージとしてはモバイルバッテリーの大容量モデルと思えば良いだろう。これをクルマに1台積んでおけば万が一のバッテリー上がりでも安心だ。

では、どんなポータブル電源タイプのジャンプスターターを選べば良いのだろう。大切になるのは容量と流せる電流量だ。まずはバッテリーの基礎知識を少し紹介しておこう。

そもそもクルマは車両の大きさや始動時の負荷に合わせて搭載しているバッテリーの大きさ(容量)が異なる。ユーザーがその容量を知る指標になるのがCCA値だ(400Aや600Aなどの表示がある)。一般的には大きなクルマはCCA値も大きくなる傾向だ。このCCA値がエンジン始動時に必要になる電流の目安なので、ジャンプスターターはそれ以上の能力を持つモデルを選んでおくと良いだろう。一般的には普通乗用車であれば300A~程度が目安になるだろう。

次に容量にも注目したい。こちらはmAhという単位で表記されることが多い。一般的な普通乗用車であれば8000mAh(8000mAの電流を1時間流せる容量を備えているという意味)の容量のジャンプスターターならば大方の目安としては2回程度はエンジン始動に使える計算。少しバッテリーが弱っている程度で、すぐにエンジン始動できるならば問題なく利用できる範囲だろう。さらにエンジンの始動回数を増やしてエンジン再始動の可能性を高めたいならば12000mAhや24000mAhなど、より大容量モデルを用意すると良い。その分だけ、満充電時にエンジンを始動できる回数が増えると考えると考えられるのだ。

このように、ブースターケーブルやジャンプスターターを用意して、不意のバッテリー上がりに遭遇してもDIYでエンジンの再始動ができる体制を整えておくと出先で慌てることも無くなる。次の週末ドライブの前にこれらのアイテムを用意しておこう。

土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

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《土田康弘》

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