横浜ゴムが勉強会開催、タイヤ販売強化やサステナビリティ研究開発への取り組みを発表 | CAR CARE PLUS

横浜ゴムが勉強会開催、タイヤ販売強化やサステナビリティ研究開発への取り組みを発表

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横浜ゴム タイヤ勉強会
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横浜ゴムは4月下旬、メディア、ジャーナリスト向けの勉強会を実施した。その中で横浜ゴムのタイヤ事業戦略、サスティナビリティなどの取り組みを発表。さらに近年需要が高まってきているPHEVやBEVといった、車両重量が重い車両に対するタイヤについても語られた。

◆横浜ゴムのタイヤ事業戦略

タイヤ事業戦略では消費財タイヤをより深化させ、高付加価値品比率を最大化させていく。具体的にはADVAN、GEOLANDAR、WINTERタイヤを高付加価値品として2019年度の販売比率が40%だったものを50%超に目標を拡大させるとのこと。そのためにADVAN/GEOLANDARの新車装着を拡大、補修市場でのリターン販売強化、WINTERを含むサイズラインアップの拡充、各地域特性に合致した商品の販売強化が重要だと語られた。

2022年の新車採用実績の一例としてプレミアムカーやEV車両への装着が紹介され、レクサス『RX』、トヨタ『bZ4X』、スバル『ソルテラ』へADVAN V61、レクサス『LX』にGEOLANDAR X-CV、日産『フェアレディZ』にADVAN Sports V107、ホンダ『ZR-V』にADVAN db V552の装着などの実績が挙げられ、補修市場でのリターン販売強化では2022年ADVAN夏の陣と称した販売強化を実施。ADVAN Sport V107、ADVAN NEOVA、BulErath-GTなどを推していき、ADVANは138%、GEOLANDARは109%、WINTERは114%、18インチ以上のサイズは140%という好結果を生み出した。そして2023年の取り組みとしてはGEOLANDARを強くアピールしていくそうで2023年泥試合という作戦名を掲げていた。

そのGEOLANDARは、3月に北米・豪州向けのGEOLANDAR A/Tを発売、GEOLANDAR X-ATを第2四半期発売予定している。さらにまだ名称などが公開されていないGEOLANDARを2023年下期に発売する計画もあるとのこと。世界的にもGEOLANDARの人気は高まっており、北米で販売されているトヨタ『タンドラ』『セコイア』にも新車装着されたほか、大外径サイズの増産対応を行うなどして前年比107%増の計画をしている。合わせて横浜ゴムの大きな柱にもなっているADVANは今年で誕生から45周年を迎えることもありADVANブランドも強化していき、新車装着や補修市場、モータースポーツ活動をより強化していくそうだ。

販売を強化していく一方でサスティナビリティも進めていく必要があり、生産工場でのカーボンニュートラル化を進める。具体的には設備の運転効率化や温調設備、蒸気配管、空調等の効率化改善を掲げていた。現状でもサーキュラーエコノミーとしてタイヤの走行性能を損なわず、サステナブル素材比率33%のADVANレーシングタイヤを全日本スーパーフォーミュラ選手権に供給しているが、この知見が将来的に市販タイヤにも生かされる可能性は非常に高いだろう。

◆HLC規格について

100年に1度と言われる自動車業界の変革期において、CASEという言葉が多く言われているが、その中で「E:Electric 電気自動車」の分野は要求の高難度化が進んでいて、静粛性と転がり抵抗や摩擦の向上はもちろんのこと、車重が増えることにより高LI(ロードインデックス)化が必要となり、新規格化されたHLC(High Load Capacity)への対応を一部の自動車メーカーより要望されているという。

一例として紹介されたのはBMW『X1』で、ガソリンを燃やす内燃機関からHEV/PHEV/BEV化によって車両重量が増大していて、内燃機関時の車両重量は1575kg、PHEVになると1930kg、BEVになると2085kgと510kgも重たくなっているのだ。この他BMW XMはPHEVで2710kg、ポルシェカイエンHEVだと2540kgという車両重量になっていて今後もこの流れは続いていくと考えられている。そうした車両に対応するべく、より高性能で安全性の高いHLCエクストラロードへの対応やサスティナビリティに関してもさらに研究開発を行うとのことだ。

《雪岡直樹》

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