梅雨に突入した日本列島だが、それがあければ30度以上の夏日が続く真夏が待っている。そんな暑い季節にはクルマもトラブルが発生しがち。今のうちから対策してノートラブルで走りたい。
ジメジメとした梅雨が始まったが、7月になって梅雨明けと同時に今年も日本列島は猛暑に包まれる。そんな暑さにダメージを受けるのは人間だけでなくクルマも同じ。いざトラブルを起こしてからではお金も掛かるし、時間も失う。今のうちからメンテナンスをして猛暑に対応したい。
1:暑さに対応したエンジンオイル
暑い季節は水温もエンジンオイルの温度も高くなりがち。そんな暑さの中、渋滞に長時間ハマったりするとどんどん熱的には厳しい条件になってくる。そうなるとエンジンオイルのダメージも心配だ。日常的に油温が高くなることでオイルがダメージを受けてしまう。そもそも保護性能が落ちたところで、成分自体も暑さによる熱で劣化してきてしまう。そんなオイルがお疲れ状態でエアコンを掛けたまま長時間のアイドリングで仮眠なんてのは意外とエンジンには厳しい。アイドリングは油圧が低く、オイルを圧送する力が弱く、潤滑切れを起こしてしまいやすいのだ。
対策としてはまず早めにオイル交換するのと、純正指定範囲内でちょっと硬めのオイルにしておくのもあり。車種にもよるが純正指定オイル粘度が5W30と10W40のように幅がある場合がある。であれば、夏場はちょっと硬めの粘度を選んでおくと無難だ。あとはできるだけ油圧が低いアイドリングで長く待つようなことがないようにしたい。
2:クーラント交換で冷却効率アップ
クーラントの熱交換性能自体は経年劣化はほとんど起きないという。しかし、クーラントを夏前に変えておくのはメリットがある。まず、冷却性能は落ちなくてもエンジン内部パーツのサビを防ぐ防錆性能は落ちていく。エンジンがダメージを受けないように定期的にクーラント交換をするのがオススメ。
あとはしっかりとプロの手でクーラント交換してもらうことで、エア抜きをして本来の冷却性能を取り戻すという効果もある。クーラントは抜くだけでなく、その後水路をよく洗浄してもらうのがベター。これだけでもラジエーターに詰まった汚れなどが取れて冷却性能のアップが期待できる。さらにしっかりとエア抜きをすることで水路に噛んだ空気を排出。より効率よくエンジンの熱を奪うことで、エンジン本体の温度を少しでも下げる効果がある。
3:エアコンメンテで涼しい車内を
エアコンはしっかりと効いてくれないと暑いのもあるが、熱中症になりかねない。まず、エアコンフィルターを交換。ここにホコリが詰まっていて送風の風が弱くなっていたというのはよくあるトラブル。
さらにエアコンガスの残量も検査したい。エアコンガスは多すぎても少なすぎてもきちんと冷えてくれない。そこで専用マシンで測定して規定量に調整するチューニングもある。それをすることで本来の性能を取り戻し、エアコンの効きが復活するというのだ。エアコンコンプレッサーの負荷を下げるというエアコンガスオイルの添加剤も発売されている。そういったもので少しでも効率をよくしてあげるのも手のひとつだ。
エアコンのコンデンサーに走行風が当たらないと熱が放出できないので、必然的にエアコンの効きが悪くなってくる。コンデンサーの前をオイルクーラーが占拠しているなどがあれば、そのあたりも改善する余地がある。今どきそういったチューニングのクルマは少ないが、ファンシュラウドを取ってしまってアイドリング時にきちんと空気を吸い込むことができずエアコンが効かないこともある。
4:バッテリーには過酷な季節
バッテリーは寒い時期も厳しいが、真夏はエアコン全開で発電量が少ない中での使用になり、厳しいコンディションとなる。さっきまで普通に走っていたのに、コンビニに入ったらエンジンが再始動できなくなってしまったというトラブルも起きやすい。
できれば新品交換だが、金銭的に厳しければ補充電という手もある。電源があれば現在は数千円で買える充電器があるので、そういったもので補充電するといい。アイドリングではほとんど充電されないので、エンジンを掛けて充電しようと思うなら高速道路を1時間くらい流すのでも十分。逆に言えばアイドリングで放置しても充電されず、街乗りでとろとろ走ってもやはりあまり充電されないので、ある程度のペースで1時間くらいは走るようにしたい。