クルマの灯火類を省電力や明るさ、発光色などを求めてLED化するケースが増えている。特に手軽なルームランプはDIYで交換することも可能なので、車内のイメージチェンジに挑戦してみよう。
ヘッドライトやフォグランプ、テールランプなど、クルマの灯火類をLED化するケースが一般的になっている。すでに純正でLEDの灯火を標準装備する車種も増えているので、愛車も灯火類をLED化したいというニーズが強くなっている。そんな中、手軽にLED化できる灯火がルームランプだ。しかもルームランプの変更は車内のイメージも大きく変えられるのでユーザーの“変わった感”が強いので満足感も高い。しかも取り付けも簡単で価格もお手頃なので思い立ったら即実践してみよう。
そもそも純正のルームランプには白熱電球が用いられている場合が多い。白熱電球とは従来形のフィラメントに電気を流して発光させるタイプ。それに対して半導体である発光ダイオードを使って発光させているのがLEDだ。その違いはまずは消費電力。一般的には白熱電球に比べてLED球は消費電力が数分の一程度に抑えられる。電球の種類にもよるがルームランプに使われている純正の白熱電球だと消費電力が5W~8WW程度なものが多いが、LED化すると1W程度まで消費電力が抑えられるケースもある。さらに白熱電球は点灯すると熱を発するが、LEDは比較的発熱量が少ないのも特徴だ。加えてLEDは白熱電球に比べると長寿命なのも魅力となるだろう。
さらに点灯させたときの色味である色温度が選べるのもLEDの特徴。白熱電球はいわゆる電球色のやや黄色みがかった発光色なのに対して、LEDは白色や青みがかった白など、色温度(K=ケルビンで表記される)が好みで選べるのも特徴。セレクトの目安にするのはケルビンの数値。昼白色と呼ばれる自然な白色光は4600~5500K程度。さらに数字の大きな6500~1万Kを選ぶと青みがかった発光色にすることができる。一方では黄色みがかった暖かみのある電球色(3000K程度)も好みで選べるモデルが用意されているのも魅力。
また白熱電球に比べてLEDは明るいのも特徴だ。実際に明るい場合もあるがクリアな白色光であることで車内を照らし出すので白熱球のやや黄色みがかった光よりも明るく感じるという効果もある。ただしLEDはすべて白熱電球よりも明るいというわけでは無い。明るさを優先するユーザーはクオリティの高いモデルを選んで明るさを確保すると良いだろう。
そんなLEDルームランプの交換はちょっとした知識と工具があれば比較的ハードルは低い。まずはルームランプに用いられている純正の電球の型式の確認が必須だ。一般的にはT10×30やT10-31などと呼ばれる両口金タイプ(電球の両端に金属製の端子を備えているタイプ)の電球が用いられている場合が多い。マップランプなどではT10ウエッジというウェッジ球(電球の付け根部分がそのまま配線端子になっていて差し込んで使うくさび形の球)を用いる場合もある。愛車のルームランプで用いられている電球の型式をまずは調べて、適合するLED球を用意することから作業をはじめてみよう。純正の電球とそっくり交換するLEDもあるが、電球を設置する部分に端子を設置して延長配線の先にLED基板を接続するモデルもある。光源の大きさや明るさ、さらには取り付けの手間なども加味して、好みのモデルを選ぶと良いだろう。
また取り付ける際の注意点のひとつが取り付ける方向。LEDルームランプの多くは極性(+-)を持っている場合がある。LEDを端子部分にはめ込むときに軽く接触させて点灯を確認すると良いだろう(極性のあるLEDの場合は極性が逆だと点灯しない)。
もうひとつ取り付けに際して注意したいのはルームランプのプラスチック製のカバーの脱着だ。多くの場合はカバーの一部に凹部分があり、ここに内張り外しやマイナスドライバーなどを差し込んで軽くこじって外す。カバーや内張りをキズ付けないようにあらかじめ周囲を養生テープで保護してから作業すると良いだろう。無理に力を加えてカバーを破損しないように注意して作業しよう。カバーさえ外れればあとは電球をLEDに交換するだけなので簡単に作業できるだろう。
夜間にルームランプを点灯させたときの発光色の違いで愛車のイメージを大きく変えられるルームランプのLED化。クリアな白色光で車内を明るく照らし出すのもLEDの特徴のひとつ。交換作業も比較的手軽なので省電力で明るいLED化を試してみると良いだろう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。