ユネスコエコパークの大自然×グリーンスローモビリティでレジャーも暮らしも働き方も変わる…参加型プロジェクト「うごく街」が本格化 | CAR CARE PLUS

ユネスコエコパークの大自然×グリーンスローモビリティでレジャーも暮らしも働き方も変わる…参加型プロジェクト「うごく街」が本格化

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うごく街プロジェクトの未来イメージ
うごく街プロジェクトの未来イメージ 全 45 枚 拡大写真

うごく街」は山梨県南アルプス市で進むプロセスエンターテインメント事業。ユネスコエコパークに認定された大自然を核にアウトドアレジャーや農業体験などとグリーンスローモビリティを掛け合わせ、関係人口を増やしつつ、新しい暮らし方や働き方の創出を目指す。

プロジェクトは、一般社団法人うごく街(今井武代表理事)が主宰。それぞれのメンバーが持つ専門性とネットワークを地域の人々と接続し、さまざまなアイデアで新サービスを創出していく。

7月にプロジェクトの中心施設の1つとなるグランピングスポット「おそとのてらす」がオープンしたのを機に、法人会員、個人会員を募集し、定期イベントや体験ツアーを開始することで、取り組みの拡大や加速させている。

そして今回はレスポンス編集部の合宿場所として「おそとのてらす」を中心に一泊二日を過ごす機会に恵まれたのでレポートする。

◆世界に認められた自然環境でのアクティビティ

プロジェクトのフィールドである南アルプスは、日本に10箇所あるユネスコエコパーク(生物圏保存地域)の1つで、地域内のほたるみ橋公園は周辺の美しい棚田の風景などから全米ランドスケープアーキテクト協会の優秀賞を受賞するなど世界が認める豊かな自然が魅力。

紅葉の名所でもあるエコパ伊奈ヶ湖では、夜の棚田ツアーや鳥の巣箱づくり、流星観測会などのネイチャーイベントのほか、カヌー体験などのアウトドアアクティビティも楽しめる。また、街には桜の巨木もあり、春にはお花見も楽しめる。

日本の原風景とも言える郷愁あふれる空間に、ゆったりと流れる時間と清々しい空気。日中は都心などと大差ない気温のこともあったが、夜はひんやりとして過ごしやすく、田舎で過ごした子供の頃の夏を思い出すような場所だ。

当日は晴天に恵まれて富士山も美しく見えるロケーション。この時期なので非常に暑い日であったが、カラッとした空気で日陰に入ると風もあって心地よい気候。周りを見渡せば緑に囲まれて都会の喧噪では体験出来ない穏やかで緩やかな時間が流れていた。

◆古民家での地域交流や棚田での農業体験も

メンバーと地元工務店の協力により、複数の古民家を再生し、地域の人たちとの交流の場などとして活用。その代表的な施設の1つがワインと蒸しパンを楽しめるカフェ「月晴れる」。古い薬店を再生した落ち着いた雰囲気と目の前に広がる美しい棚田の景色も相まって、オープン以来地域住民の憩いの場となっている。

プロジェクトでは歴史ある石積みの棚田を3面を借り、地元農家の指導のもと田植えや収穫体験などを実施。米だけでなく、野菜や果物の栽培体験も行なっている。棚田からは富士山の眺望が楽しめ、この地域ならではの思い出づくりができるのも魅力的だ。

ヨーロッパのクライネガルデンのように、平日は都会で暮らし、休日に土の匂いと感触に触れ、自然と親しみながら、心をリフレッシュするという生き方も、「うごく街」ではできるのではないだろうか。

そしてこの「月晴れる」にて編集部の会議が行われたのだが、古民家でありながらも雰囲気を活かした形でリフォームされており、空調もしっかりと整っている。部屋の一角には大きめのワインセラーも備えていて、ワイン好きには特に興味を惹く間取り。会議自体もいつもと違う雰囲気となり実のある深い話がテンポ良く進んでいった。

◆ワーケーションにも適したグランピング施設「おそとのてらす」

おそとのテラスはバーベキュー場と宿泊所などを備えたグランピングスポット。グランピングテントとタイニーハウスを組み合わせた施設だ。

宿泊場所となったタイニーハウスはセミダブルサイズの2段ベッドとネット環境の整ったリビング、トイレとシャワーを備えていて、目の前のテラスから朝は富士山の絶景を眺められ、夜は甲府市街地の絶景を見下ろすことができる。

夕食はレストラン前のスペースでBBQとなっており、地域のフルーツやジビエを盛り込んだ贅沢なバーベキューを堪能でき、夜景を見ながら気持ち安らかに会話も弾むロケーションであった。そして絵葉書のような美しい風景に囲まれていただく朝食は、特別な味わいをもたらしてくれる。

心のクリーニングとも言える気持ちの良い朝を過ごすことが出来た。

◆グリーンスローモビリティで自然と共生、“ケットラ”でイベントを活性化へ

南アルプス市は、ほど近い甲府市南部にリニア新駅ができる予定のため、市街地を中心に日に日に活気を増している。開通後は東京から新駅の所要時間は25分、名古屋からは15分となるため、旅行客が急増する可能性がある。

そこで、多くの人が訪れても、自然への負荷が抑えられるように、と山の麓にハブを作り、グリーンスローモビリティを活用することで、棚田や湖などを観光できるような仕組みづくりを計画している。

また、地域で“ケットラ”の愛称で親しまれている軽トラックをベースに、山梨大学と連携した新しいモビリティの企画制作も進めている。

荷台に乗せる、キッチンやバー、イベント、災害対策用など、さまざまな用途のソケットを製作し、利用シーンに合わせてて積み替えることで利用シーンに応じたオリジナルモビリティにカスタマイズできるという内容だ。

こちらはまだ実現していないものの、その分、これから関わる参加者のアイデアが反映される余地も十分にある。ぜひ、興味のある方は参画してみてほしい。

《家本浩太》

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