フロントの視界確保に必須なのがウォッシャー液。フロントガラスが汚れた際に噴射してワイパーでガラス面をクリアにするためには必要不可欠だ。そんな重要なウォッシャー液の点検を実施しよう。
ワイパーのレバーを操作すると勢いよくびゅーっとフロントガラスめがけて飛び出してくるウォッシャー液。同時にワイパーが稼動してガラス面の汚れなどを一掃してくれる便利機能だ。しかし、この機能を便利に使っていると、ある日突然ウォッシャー液が無くなってしまったときに不便を感じることになる。
そもそもウォッシャー液を使うシーンは多岐にわたる。走行中に虫や汚れなどがフロントガラスに付着した場合のクリーニング、さらにはしばらく駐車場にクルマを止めておいて走り出す際の、思った以上にフロントガラスが汚れている場合、さらには昼間は見えないが夜間走行をはじめたとたん、ヘッドライトに照らされたフロントガラスに汚れによる反射や視界の歪みが発生している場合などをリフレッシュできるのがウォッシャー液だ。しかも手もとの操作だけで効果的にフロントガラスをクリアにできるのが魅力なのだ。しかしウォッシャー液を利用するのが当たり前すぎて、重要性をリアルに感じるシーンは少ないかも知れない。むしろ、その必要性を強く感じるのはウォッシャー液が無くなってしまった時点だろう。
今まで勢いよく飛び出していたウォッシャー液が、ウォーンというモーター音だけ聞こえるがいっこうにフロントウインドウに噴射されない。そうなってしまった場合には慌てずチェック開始だ。その場合には真っ先に確認したいのがウォッシャー液の残量だ。ウォッシャー液のタンクが空っぽになっているなら速やかに補充を実施しよう。
そこでウォッシャー液の補充をDIYで実践してみよう。補充方法はいたって簡単なので手順さえ憶えれば今すぐDIYで実践できる。まずはウォッシャー液が減っているのかどうかをタンクを見て確認してみよう。ウォッシャー液のタンクはエンジンルームなどに設置されている(車種によって取り付け場所が異なるので要チェック)。エンジンルーム内には液体が入った補助タンク(冷却水やブレーキフルードなど)がいつくかあるので要注意。ウォッシャー液のタンクにはキャップ部分にワイパー/ウォッシャーの図が刻印されているので、これを手がかりに探せば間違うことは無いだろう。
ウォッシャー液のタンクを見て減っている/空っぽという場合には補充をしよう。ウォッシャー液はつぎ足して使うのが基本なので、減った分だけアッパーレベルまで継ぎ足しておけば良いだろう。用意するのは補充用のウォッシャー液だ。カー用品店などで簡単に手に入るのでウォッシャー液を手に入れて補充する。ウォッシャー液は一般的には界面活性剤+エタノールを主成分にした液体で、クルマ用に開発されている洗剤なでのクルマで使い勝手が良い成分に調整されている。ウォッシャー液のタンクにレベルゲージなどがあればそれを手がかりに補充すると良い。一方でレベルゲージが無い車種の場合はタンク上部からのぞいてウォッシャー液が溢れない程度まで補充すれば良いだろう。
ところでカー用品店に行ってウォッシャー液を選ぶ時にちょっと迷ってしまうのが凍結温度。その名の通り冬場に何度まで気温が低下すると凍り付くかの温度を示している。オールシーズン対応と表記されている商品であればそのまま原液を使うだけでOKなのだが、原液を水で希釈して使うタイプのものは希釈する濃度で凍結温度が変わってくるので要注意。あまり薄めすぎる(ウォッシャー液の成分が少なくなり水に近づいていく)と低温下では凍結も心配されるので適度な濃度にして使うと良いだろう。
また、一般的なウォッシャー液の他にガラス面の洗浄・プラスアルファの機能を備えているタイプも用意されているので目的に合わせて選んでも良いだろう。代表的なタイプが撥水効果を備えたタイプだ。ウォッシャー液の中に撥水効果のある成分が含まれているので、使うたびにフロントウインドウを撥水コーティングする機能を備えている。また油膜取りの効果を備えたウォッシャー液もあるので便利に使えるだろう。ただし注意したいのは異なる機能を備えたウォッシャー液を混ぜて使うのは避けたい。添加されている成分にもよるのだが、混ぜて使ってしまうと最悪の場合にはウォッシャーノズルが詰まるといったトラブルの原因になることもある。機能を備えたウォッシャー液を使うならば、前に使っていたウォッシャー液を使い切ったタイミングで交換する形で注入するのが安全だろう。
フロントの視界確保には欠かせないウォッシャー液。使えて当然と思っているのでうっかりタンクが空になるとストレスを感じてしまい同時に視界の不良が起きて危険でもある。そこでドライブに出かける前にウォッシャー液のタンクをチェックして、残量が怪しいようならば補充してから出かけよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。