[音響機材・チョイスの勘どころ]今さら聞けない! スピーカーから音が鳴る仕組み | CAR CARE PLUS

[音響機材・チョイスの勘どころ]今さら聞けない! スピーカーから音が鳴る仕組み

特集記事 コラム
市販スピーカーの一例(クワトロリゴ・エロイコシリーズ)。
市販スピーカーの一例(クワトロリゴ・エロイコシリーズ)。 全 2 枚 拡大写真

愛車のサウンドシステムのバージョンアップを考えているドライバー諸氏に向けて、それを実行しようとするときに役立つ製品情報を幅広くお届けしている当連載。現在は、スピーカー選びの際のポイントをさまざま説明している。

今回は、スピーカーの仕組みについて解説していく。それを知っておくと、スピーカー選びをする際のチェックすべきポイントが見えやすくもなるからだ。

まず、スピーカーは以下の3つの主要パーツにて構成されている。「磁気回路」、「フレーム」、「振動板」、これらだ。これらが音を鳴らすために機能する。

では、それぞれについて詳しく説明していこう。最初に「磁気回路」から。これはつまりは「スピーカー」の心臓部だ。

なおここにはマグネットが仕込まれている。ちなみにそれには形状的なタイプ違いが2つある。1つは円筒形でもう1つはドーナツ型だ。そして前者ではその周囲に、後者では中央の空洞部分に、筒状の「コイル」が設置されている。で、そのコイルに音楽信号が送り込まれると「フレミングの左手の法則」に従って「コイル」が動き、その動きが「振動板」に伝えられ、「振動板」が前後に動いて空気を震わせ音を伝える。

ちなみにいうと音を録音するマイクは、スピーカーの仕組みを逆に使っている。空気の振動をキャッチして、それを「磁気回路」を介して電気信号へと変えている。つまり「スピーカー」は、「電気信号を音へと“戻す”ための装置」なのである。

なお「磁気回路」の製造においては精度が求められることとなる。送り込まれる電気信号をできる限りロスなく音に変換したいからだ。そのためにはこの部分は、精密であればあるほど良い。そこのところを突き詰めて、部品選びや設計に英知が注ぎ込まれる。結果、高級モデルになればなるほど磁気回路の各パーツに高級素材が用いられ作りも精巧になっていき、高額な高級モデルも出現するのだ。

ところでその「磁気回路」にて発生するパワーをロスしないためには、「フレーム」が堅牢である必要もある。なので高級スピーカーになればなるほど、「フレーム」の材質や構造にもこだわりが注がれる。

その一方で「磁気回路」も「フレーム」も、取り回しのしやすさが考慮されることも多い。高級機の場合は音質性能が最優先されて大型化していく傾向にあるが、取り付け性が尊重されるモデルではコンパクトに仕上げることも併せて重視され、そのための工夫もさまざま盛り込まれる。

今回は以上だ。次回は「振動板」について詳しく解説していく予定だ。お楽しみに。

《太田祥三》

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