焼け石に水、ではないのかとも思えるが、レギュラーガソリン価格の全国平均が1リットルあたり200円超という前代未聞の最悪の事態はどうにか避けられそうである。
15年前の2008年8月に記録した最高値(185円10銭)に迫りつつある中で、政府は、ガソリン価格抑制のための補助金について、9月末までとしている期限を延長し、10月以降も継続する方針を固めたという。
◆ガソリン価格高騰対策について首相が指示
支持率が続落している岸田文雄首相もようやく重い腰を上げて、自民党の萩生田光一政調会長と首相官邸で会談し、ガソリン価格高騰対策について与党内で検討するよう指示。きょうの各紙にも「ガソリン高対策指示、首相が与党に」などと1面で大きく取り上げている。
それによると、首相は「価格高騰で困っている方々の声を直接うかがってきた。緊急に取り組む必要があると判断。ガソリン等の激変緩和措置については今月中、先出しでしっかり検討を行う」。その上で「それ以外のさまざまな物価の状況も見ながら、経済対策を9月には考えていきたい」とも述べたという。
補助金を延長するための財源は燃料油激変緩和措置として既に計上している予算の未執行分を充てるようだ。
◆ガソリン価格の高止まりは続きそう
ガソリンの抑制策は、引き続き石油元売り会社に支給している補助金を10月以降も続ける方針とみられるが、ただ、産油国の減産による価格調整や為替市場での円安の進展などから、この先もガソリン価格の高止まりは避けられない。
地元の漁業関係者の反対を無視して福島原発の処理水を海洋放出する決定を下すなど、「聞く力」どころか「痛み」がわからない首相が、自動車ユーザーには恩恵が大きいガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の発動を決断する覚悟があるのかどうかが焦点になりそうだ。
2023年8月23日付
●ガソリン代下げ追加策、政府検討大型経済対策も(読売・1面)
●挑む新トップ2023、リニア開業は使命、JR東海 丹羽俊介社長(読売・8面)
●ソフトバンクG投資再開へ、アーム株担保に資金調達(産経・10面)
●処理水あすから海へ、放出終わり見えず、汚染水ゼロ対策なし、政府決定(東京・1面)
●こちら特報部、ライドシェア議論再燃、訪日客増自家用車で有料送迎案、コロナ下のタクシー業界、苦境に拍車も(東京・20面)
●フィリピン工場に110億円、トヨタ、戦略車2車種生産(日経・15面)
●マツダ、米販売2割増45万台に(日経・15面)
●JR東海、株式5分割、11年ぶり長期保有の優待拡充(日経・16面)