パイオニアは9月6日、NextDriveと協業し、電力データと移動データを掛け合わせた「EV充放電制御システム」の開発で協業すると発表した。
近年、EVの導入を検討する事業者が増えているほか、EVを蓄電池として利用し、太陽光などの再生可能エネルギーを効率的に活用する「V2H(Vehicle to Home)」の導入も進んでいる。その一方、「複数台のEVを導入したが、充電タイミングが重なると電気代が高くなり、想定よりもコストがかかってしまう」「EVの充電が間に合わず、翌日の業務に支障を来した」といったコストや運用に関する課題も多い。
本協業では両社の技術を活用し、電力データと車両の移動データを掛け合わせることでEV関連のエネルギーマネジメントを最適化し、それらの課題を解決する「EV充放電制御システム」を開発する。パイオニアは、車両の移動データを収集し、独自のプラットフォーム「Piomatix for Green」を活用してEVのSoC(充電状態)や消費電力量を予測。NextDriveは、同社のエネルギーマネジメントコントローラー/IoEゲートウェイ「Atto」を活用した電力データ収集およびEV充電機器やV2H機器の操作を担当する。
両社が収集したデータを最適に制御することで、翌日の走行距離まで考慮した複数車両の充電制御やEVを蓄電池として利用した再生可能エネルギーの有効活用など、無駄のないエネルギーマネジメントを実現。EV導入事業者の運用効率化、電力コスト削減につなげる。また本システムは、既にEVや充電機器を導入している事業者にも幅広く活用してもらえるよう、車種や充電機器メーカー・モデルを問わずに後付け可能なシステム構成を想定している。
今後両社は、本開発への賛同企業と共に、2023年度中にEV充放電制御システムの開発および実証実験を行い、エネルギーマネジメントの有用性を検証していく。