「4週連続の値下がり」とか「約2カ月ぶりの170円台」などと、耳ざわりのよい見出しばかりが目に入ると、安堵感でいっぱいになる人も少なくないだろう。
資源エネルギー庁が発表した10月2日時点での全国のレギュラーガソリンの1リットルあたり平均価格が、前週調査より1円20銭低い179円30銭だったという。
◆補助金を拡充
ところが、である。7月31日時点の調査以来、全国平均価格は180円を突破して推移していたのが、約2カ月ぶりに170円台には下がったものの、限りなく180円に近い。しかも、4週連続の値下がりは、政府が10月末までに175円程度の水準に抑制する目標を掲げて、9月7日からは石油元売りへのガソリン補助金を拡充しているためである。
また、産油国の減産による原油価格の高止まりや、直近の為替相場が一時1ドル=150円台に達するなどの円安の進行によって、原油の調達コストは上昇傾向が続く。
◆公平性を損なう補助金への依存
きょうの各紙にも、調査を担当した石油情報センターの担当者の話として「補助率の拡充で、来週もガソリン価格は値下がりする見通し」とのコメントを伝えている。
ガソリン税を引き下げる「トリガー条項」発動の気配もなければ、為替介入による円安の加速を食い止めるための具体的な動きもみられないようでは、公平性を損なうなどの批判も多い補助金への依存が一段と強まるばかりである。
2023年10月5日付
●円一時150円台乱高下、長期金利上昇、株は全面安(読売・1面)
●近未来の車475社参加、「ジャパンモビリティショー」(読売・6面)
●路線バス運転手足りない、減便・廃止次々経営難背景(読売・31面)
●ガソリン2カ月ぶり170円台、政府補助金拡充、4週連続の値下がり(朝日・9面)
●ジャニーズ会見NGリスト、PR会社、特定記者の質問回避か(朝日・30面)
●中国製EV調査開始、EU違法補助金疑いで(毎日・7面)
●自動運転車倫理の道、判断あり方、国交省検討、子供を避ければ、対向車と衝突(産経・1面)
●鉄道・船の輸送、10年で倍増、政府が24年問題対策、運転手の負担軽減(日経・1面)