日本自動車工業会は10月4日、東京臨海都心の東京ビックサイトで開催する「ジャパンモビリティショー2023」について、開催直前説明会を開催した。期間は10月26日から(一般公開は10月28日から)11月5日までで、過去最多の475社が出展する。
前回開催の「東京モーターショー2019」の出展企業が192社だったので、大幅に増えたことになる。これまで最も出展企業が多かった1995年の361社と比較しても、100社以上増えているのだ。これは名称を変え、自動車業界だけでなく、他産業へも参画を呼びかけたことが大きいと言えるだろう、特に今回はスタートアップ企業が90社も参加する。
◆産業界が成長するための原動力が「モビリティ」
「今の日本の産業界は中国、米国、アジアなどと比較すると、競争力が落ちているという危機感を、大企業をはじめスタートアップ企業も持っている。成長していくための原動力として、モビリティに目を向けてもらい、ポテンシャルを感じてもらっていることが大きな要因ではないかと思う」とモーターショー委員会の長田准委員長(トヨタ自動車執行役員)は参加企業が大幅に増えた理由を分析する。
その長田委員長は「未来のモビリティだけでなく、今のクルマも多く出展されている。素晴らしいコンテンツが盛りだくさんなので、ぜひ東京ビックサイトに来て未来の日本を体感してほしい」とアピールする。
今回はシンボル的なコンテンツが3つあるそうだ。まずは「Tokyo Future Tour(東京フューチャーツアー)」である。117社の企業が協力し、見たこともないモビリティやワクワクする技術で、「モビリティが実現する、明るく楽しくワクワクする未来」のショーを用意しているそうだ。
◆エマージェンシー&モビリティ
例えば、SF映画に出てくるような四足歩行ロボット、遠隔操作で操作する復旧支援ロボット、垂直離着陸型ドローン、自動配送ロボットなど未来のモビリティを披露する。極めつけは「エマージェンシー&モビリティ」エリアだろう。11月3日全国ロードショーを予定している映画『ゴジラー1.0(マイナスワン)』とスペシャルコラボを実現し、楽しいときのモビリティだけでなく、有事の時にもモビリティが活躍する未来にも目を向けたという。
「ゴジラに破壊された町をどう復興していくのかを実際に見てもらうエリアを設けている。そこでは、各社から提供されたモビリティがどのようにして町を復興していくかの様子を、モビリティの動きと一緒にリアルな形で見てもらうことになっている」と長田委員長は説明する。
◆スタートアップフューチャーファクトリー
未来を担うスタートアップを集めた「Startup Future Factory(スタートアップフューチャーファクトリー)」では、ピッチコンテスト&アワードとビジネスマッチングイベントを開催するほか、延べ100社にもぼるスタートがブースを出展し、さまざまな製品や技術、サービスを紹介する。その中には空飛ぶドローンだけでなく、水上を進むドローンや、気球で宇宙観光をスタートアップの技術が展示されることになっている。
◆ジャパンフューチャーセッション
日本の未来について討論するトークショー「Japan Future Session(ジャパンフューチャーセッション)」では、「モビリティと未来」という共通テーマを軸にサステナビリティやAIといったセッションに加え、アウトドア、モータースポーツ、おもちゃといった柔らかいテーマまで、日替わりで実施する。子供から大人まで楽しめるようになっているそうだ。
そのほか、長田委員長によると、フードコートも充実していて、過去最多の45店舗が出店予定だ。4つのエリアに分かれていて、特に西展示棟屋上では、「Japan Meat Show(ジャパンミートショー)」と銘打った肉のイベントが開催される。その中で半年先まで予約が埋まっている「肉山」の料理が楽しめるという。
このように、新たに生まれ変わるジャパンモビリティショーは、これまでになく盛りだくさんな内容になっている。