平均車齢が9年となり、1台のクルマに長く乗り続ける長期保有化が進んでいる。愛車のボディ保護など美観維持のカーケアサービスに注目が集まりがちだが、フロントガラスやホイールのキズ、シート汚れなどの「リペア(補修)」も重要。中古車購入ニーズも高い今、自動車アフターマーケット事業者が “ 中古車商品化 ” を行う上で、リペア関連は注目トピックといえるだろう。
11月11日(土)・12日(日)に福岡市博多区のマリンメッセ福岡B館で開催される、九州エリア最大規模の自動車アフターマーケット事業者向けビジネス展示会『オートアフターマーケット九州2023(AA九州2023)』でも、リペア関連の製品やサービスが多数出展される。そこで本記事では、AA九州2023でリペアに特化した出展を予定している事業者の中から4社をピックアップして紹介する。
DELIGHT/スウェーデン製ウィンドウリペアツール
各種ボディコーティング施工やペンキミスト除去など、幅広いカーディテイリングサービスを展開するDELIGHT(滋賀県野洲市・南 亮二代表取締役)は、スウェーデン製のウィンドウリペアツール「MegaVac professional windshield repair」をアピールする。
同ツールは、先進的な高効率LEDを3方向から照射するコードレスUVランプを採用。高い真空力と高耐久、高精度のステンレス製インジェクターに紫外線硬化型レジンを充填し、フロントガラスの飛び石キズやヒビ割れをリペアする。操作方法がシンプルなため初心者から熟練者まで簡単に使える点も魅力で、近年のハイブリッド車や軽自動車の薄厚フロントガラスへの施工も可能とのこと。
スウェーデンのAutoGlassRestore社が1986年に開発以後、フロントガラスリペア専用ツールとして北欧のオートアフターマーケット事業者の間で愛用されているという。同ツールをAA九州2023で出品するDELIGHTは「MegaVac Prime windshield repair system」の日本代理店で、操作方法のレクチャーなどアフターフォローのサポート体制が整っている。
四国工房/デンマーク発ホイールリペアシステム
内装シート張替え&リペアや各種ボディコーティング施工などを行うカーディテイリング専門店の四国工房株式会社(香川県高松市・小比賀一訓代表取締役)は、デンマーク発のホイールリペア「HBCシステム」を訴求する。
同システムは、欧州車のホイールに多く採用されている“ダイヤモンドカットホイール”のガリ傷を正確に修理できる点が魅力。専用設計されたマシン(WR-DCM3)に装備されているレーザープローブでスピーディかつ精密にホイール形状を計測し、0.015ミリ単位の精密な加工が可能で、ホイール切削量を最小限に抑えられるためホイールのデザインが崩れにくいという。
ガリ傷補修はマシンで行うが、下地処理やクリア塗装、納品検査などの工程は四国工房に在籍する熟練の職人が担当するため高品質な仕上がりになる点もポイント。また四国工房は「HBCシステム」でホイールリペアを行う日本初のプロショップで、デンマーク本国に赴いてHBCシステムのマイスター直伝でリペア技術講習を受け、同システムの日本輸入総代理店としても展開している。
カーメイクアートプロ/ドイツ発レザーリペアシステム
老舗のボディコーティング専門店として知られ、創業時の1993年からレザーシートリペアを含む幅広いカーディテイリングサービスを展開する有限会社カーメイクアートプロ(大阪府堺市・丸山義昭代表取締役社長)は、レザーの本場ドイツ・レザーゼントラム社のレザーリペアシステム「COLOURLOCK(カラーロック)」をアピールする。
同システムは、革を熟知したドイツのリペア職人が、革なめし由来の独自技術で作ったもので、様々なリペアツールが揃う。リペア職人から伝授された優れた技術を駆使してレザーのクリーニング、メンテナンス、リペアに対応。レザーの素材感を損なわず補修でき、キーやベルトなどで引っ掻いたキズや、シートが破れてしまった場合もリペア可能とのこと。
またカーメイクアートプロは、レザーゼントラム社の日本総代理店でもあり、AA九州2023では「COLOURLOCK」システム専用開発ツール類などを紹介するほか、レザーリペア経験者・未経験者を問わず、同システム導入施工店を募集する。このほか、セラミックコーティング「FEYNLAB」の訴求や、会場内の塗装ブースでペイントプロテクションフィルム「Fenix Scratch Guard」の実演も予定されている。
アスナル/布・ファブリックシートのタバコ焦げ跡リペア
コーティング剤やクリーナー、コンパウンド、内装リペアまで幅広く取り扱うカーディテイリングショップの有限会社アスナル(神奈川県川崎市・宮﨑慎也代表取締役社長)は、内装補修に特化した「MF-02CRクロスリペアキット」を出品する。
同キットは、布・ファブリックシートのタバコの焦げ跡のリペアが可能。クロスリペアのあらゆるキズに必要なツールが全て組み込まれたキットで、51色のファイバーが入ったフルキットと9色のエコノミーキットがあり、布・ファブリックシートの様々な部分に対応可能。100V電源があれば、どのような環境でも作業ができる点も魅力で、30分程度の作業時間で、タバコの焦げ跡がほぼ目立たなくなる状態にリペアできるという。また、キットには取扱説明DVDも付属されており、動画によるわかりやすい説明をみれば、すぐに作業できる点もポイントとなっている。
本記事では、AA九州2023で「リペア(補修)」関連商材をアピールする事業者4社をピックアップしたが、今年は過去最大となる152社が出展し、509小間の規模で開催される。各社のブース出展にくわえ、電動モビリティ(キックボード)の試乗会や、大手メーカーの工具が揃う電動工具市、ドライアイス洗浄機のデモンストレーション、塗装ブース内で水性塗料やペイントプロテクションフィルムの実演も予定。なお、11月11日・12日開催『オートアフターマーケット九州2023』の展示会入場料1,000円(税込)が無料になる、来場事前登録を専用サイトで受付けている。