パワーエックスは11月15日、再生可能エネルギーや蓄電池を活用した新たな法人向け電力事業「X-PPA」を発表した。
日本における太陽光発電導入容量は、2020年度の時点で世界3位となる72GW。その一方、太陽光発電の発電量や価格は、季節や天気などの自然要因に大きく影響を受ける上、日没後は発電できないため、夜間使用される電気の多くは、未だ火力由来の電源に頼っている現状だ。さらには、太陽光パネルを設置するスペースが限られることや、再エネを証明する非化石証書の価格が市場の変動により予測が困難である点など、法人による再エネの活用には様々な課題がある。
X-PPAは、郊外で昼間に蓄電した太陽光や風力、国内バイオマスなどのベース電源に加えて、日中に太陽光によって発電された電力を蓄電池に貯め、電力需要の高まる夕方以降の時間帯に「夜間太陽光」として、オフィスビルや商業施設などに供給する新たな法人向け電力販売契約(PPA)。都市部で再エネ電源や蓄電池の設置に制約のある企業に最適なPPAサービスとなる。
パワーエックスは同日、東京電力エリアを中心に、第1期のPPA導入について15MWの募集を開始した。契約期間は10年からで、2024年8月のサービス開始を予定している。さらに、第2期募集を2024年中盤に計画しており、サービス対象エリアを本州全域へと拡大する予定だ。
また同日、パワーエックスは日本郵政および日本郵便とカーボンニュートラル社会の促進に向けた協業について合意、岡山郵便局(岡山県総社市)への「X-PPA」の導入を発表した。この他、再生可能エネルギーへの移行を推進している大手企業を含む、多くの企業で現在導入が検討されている。