国営昭和記念公園(東京都立川市/昭島市)で、「Sippo Festa 2023 秋」(しっぽフェスタ)が11月25日と26日の週末に開催された。今年で15回目を迎えるこの愛犬家向けイベントに、ホンダアクセスが特別協賛。新型『N-BOX』と、『フリード+』を展示した。
◆愛犬と楽しむカーライフを提案
ホンダアクセスは、ディーラーオプションなどホンダ車向けの純正アクセサリーメーカーだ。クルマ好きには、コンプリートカーやカスタマイズパーツの「Modulo(モデューロ)」ブランドが知られている。
同社が展開するもう1つのブランドが「Honda Dog」。車載用ソフトケージやサークルなど、ペット用カーアクセサリーの企画・開発を行っている。愛犬と楽しむカーライフの提案を行うウェブサイトでは、ドライブスポットの紹介から健康管理など日常に役立つ情報発信も行っている。
◆新型『N-BOX』にHonda Dogアイテム装着
しっぽフェスタでは、10月にデビューした新型『N-BOX』が展示された。助手席に取り付けるケージ「ペットシートプラスわん2」や中型犬まで対応する後席用の「ペットシートサークル」、2列目を愛犬専用スペースにできる「ペットシートマット」などのオリジナルグッズが取り付けられていた。
これらのアイテムは、すべて「ペット車外飛び出し防止リード」と組合せて使用できるようにデザインされている。駐車場などで停車した際、愛犬が飛び出すことがないように、という配慮だ。
助手席用のソフトケージは、万が一の事故の際、展開したエアバッグがぶつからない形状に設計されている。「大切な家族の一員」である犬たちの安全に配慮しているというホンダのメッセージは、ペットイベント来場者には「刺さる」だろう。
ユーザーや潜在顧客とのタッチポイントとして、ペットイベントが重要だとHonda Dogの担当者は言う。「直接お客さまからお話を聞いて、新しい企画や既存製品の改良につながるヒントをいただくのが、こうしたイベントに参加する一番の理由です」とのことだ。もちろん、Honda Dogに対する認知向上にも大きな効果があるだろう。同時に、愛犬家というセグメントにホンダブランドをより浸透させる狙いもありそうだ。
◆新登場のN-BOX用アクセサリー
新型N-BOXのディーラーオプションとして初登場したのが、ルーフ部に収納されるフロントガラス用のサンシェード。ロールスクリーンの要領で引き出し、ダッシュボードに取り付けたホルダーに掛けるだけで使用できる。夏はもちろん、これからの季節も車内で休む時には活躍するだろう。
アウトドアを楽しむユーザーには、新しいフロアマットも嬉しいオプションだ。リヤのフローリングタイプは簡単に水拭きできるため、泥汚れなどを気にせずに子どもや愛犬を遊ばせられるだろう。掃除のしやすい表皮を採用しており、犬の抜け毛も粘着クリーナーや掃除機で簡単に取り除ける。
このモデルで3代目となったN-BOXだが、定評のある車室内の広さなどは継承されている。低いフロアと天井の高さ、開口部の大きなスライドドアによって、愛犬を抱いたままでの乗り降りもしやすそうだ。
◆家族になったペットたち
現在、およそ1600万頭弱の犬と猫が家庭で飼育されている(ペットフード協会調べ)。今年4月1日現在の子どもの人口は1465万人と総務省が発表しており、日本では家庭で暮らすペットの数が子どもを上回っている。
飼い主が犬にかける費用も、毎年右肩上がりで増えている。ペットフード協会が行う「全国犬猫飼育実態調査」によれば、2017年に160万円だった「生涯経費」が5年で60%近く増加し、2022年では250万円を越えている。かつては「外で飼育する動物」だった犬たちが、今では「共に暮らす家族」の一員に変わったと言えそうだ。
「ペットの家族化」に伴い、自動車メーカーや販売会社などで愛犬家をターゲットにした商品開発やマーケティング施策を採用するケースが増えている。トヨタは現行『シエンタ』の発売に合わせて、ドッグランを一時的にオープンした。傘下のトヨタモビリティパーツでも、神奈川支社がハイエースをベースに愛犬家向けのキャンピングカー『ワン!PiNG ACE(ワンピングエース)』を企画・制作。このモデルは、福井・長野・静岡・岐阜の各支社に取り扱いが拡大している。
カーライフスタイルの1つとして、愛犬とのドライブが注目されているのは間違いないようだ。これからも、自動車メーカーや販売会社、アクセサリーメーカーなどが愛犬家というセグメントに注目していくだろう。