未然にトラブル防ぐためにタイヤのキズに注意! パンク以外のキズも交換が必要な理由とは? | CAR CARE PLUS

未然にトラブル防ぐためにタイヤのキズに注意! パンク以外のキズも交換が必要な理由とは?

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未然にトラブル防ぐためにタイヤのキズに注意! パンク以外のキズも交換が必要な理由とは?~Weeklyメンテナンス~
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スタッドレスタイヤから夏タイヤへの交換時期を前に、タイヤの点検・交換について今一度考えてみることとした。タイヤに気を配っておくことで未然にトラブルを防ぐことができるので要注目だ。

◆クルマの走りを左右するパーツ

タイヤはクルマのパーツの中でも、製品の種類や劣化の状態などで大きくクルマの走りを左右するパーツのひとつだ。タイヤカテゴリーのチョイスではエコタイヤとスポーツタイヤでは自ずと取り味もハンドリングも大きく異なることになる。さらに劣化したタイヤから新品タイヤに履き替えた際のリフレッシュ感もタイヤ交換を経験したことがあるドライバーなら誰もがわかることだろう。

そんな、クルマの走行フィーリングを直接左右するタイヤなので、普段から気をつけて点検さらには交換を実施するように心がけるだけで、愛車をもっと快適にドライブさせることができるのだ。まずはタイヤの状態を定期的にチェックすることからはじめてみよう。クルマに乗る際には始業前点検に含まれているタイヤ点検だが、毎回チェックするのは面倒……、という場合でも、給油時には四輪の状態を確認する習慣を付けておきたいものだ。

◆摩耗の基準となるスリップサイン

その際に、チェックするポイントは摩耗だ。FF車の場合は右前のタイヤがもっとも摩耗が早いので、そこを見るだけでおおよそのタイヤの状態はわかる(もちろん、状態は四輪ごとに異なるので各タイヤの状態確認も忘れずに)。摩耗の基準となるのはスリップサインだ。サイドウォールに△マークのある部分から延長線上にあるトレッドにタイヤ溝が薄くなっている部分がある。これが露出するとタイヤの摩耗限界だ(法的に定められたタイヤ溝の限界は1.6mm)。ここを見ればどの程度の減りなのかが判断できるだろう。

タイヤが摩耗するとグリップ力の低下はもちろんだが、溝が浅くなるため排水性も低下しウェット性能も悪化するので雨中走行時の制動距離にも影響してくる。つまりはタイヤ摩耗=安全性が低下すると言うこと。タイヤの溝は新品時には約8mmあるのだが、走行すると徐々に減っていく。摩耗するとタイヤは性能が低下していくのだが、タイヤメーカーでは新品時の50%の残溝になると性能低下が大きくなることを紹介している。性能キープのためにはスリップサインのギリギリまで使い続けるよりも、少し余裕を持って早めに交換するのが良いのはそんな理由からなのだ。スリップサインの目視だけではどの程度減ったかわかり難いというユーザーは「タイヤ溝ゲージ」(安価なもので十分)を用意して溝の減りを定期的に点検するのもおすすめ。洗車時などのタイミングで定期的に測っておくとタイヤの減りの経過もわかって交換タイミングを計算できる。

ところでタイヤはトレッド面全体が均一に減っていくわけではないことも知っておこう。特に車高を下げているクルマはトレッド面の偏摩耗が起こりがち。またアライメントが狂っているクルマでもトレッドが偏って減ることもあるので要注意だ。その場合うっかりしてしまうのがタイヤを外側から見ていると、しっかり残溝があるのだがハンドルを切ってトレッドの内側を見るとツルツルにすり減っていたなんて現象も起きるケースも。こんなことが無いように、残溝チェックはトレッド全体を見るようにしよう。

◆キズや経年劣化にも注意

次に点検時に気をつけたいのがタイヤのキズだ。パンクで無くてもキズには要注意。サイドウォールにキズが付いてしまうと補修できないのでタイヤ交換となる。タイヤは走行中にずっと力が加わっているパーツなのでキズは要注意。場合によってはタイヤバーストの原因にもなってしまうので早めのリペアが必要だ。キズの状態を見て自分では補修が必要になるのかの判断できない場合は、タイヤショップなどで診断してもらおう。

最後に、タイヤの経年劣化にも注意しよう。年間走行距離が短いユーザーはタイヤがすり減ってしまうよりも前に経年劣化によるタイヤ交換が必要になるケースもある。ゴム製品であるタイヤは時間と共に劣化し、しなやかさが失われる。その結果グリップ力が低下することになるのだ。タイヤの仕様年限の目安は概ね4~5年程度。現在履いているタイヤをチェックするならば、サイドウォールに表記される4桁の数字をみると製造時期がわかるので憶えておくと良いだろう。例えば表記されている数字が「1523」の場合は2023年15週目の製造であることを示している。劣化したタイヤを履き続けるのは危険なので早めの交換を実施しよう。

タイヤはトラブルが多い(JAFの出動回数では常に上位を占める)パーツだが、その多くは典型やメンテナンス不足が招いたもの。せっかくのドライブ先でバーストやタイヤトラブルなどが起きると大変なので普段から定期的なタイヤチェックを習慣付けて劣化や傷みをチェックしてトラブルを最小限に防ぐことを心がけよう。

土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

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《土田康弘》

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